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【連載】昭和村の歴史と文化~第12回~

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福島県昭和村

昭和村文化財保護審議会委員長
菅家 博昭(大岐)

◆渡し舟 からむしの営み展
2023年11月3日から、東京銀座のアトリエムジで「素材の源流を辿る 渡し舟 からむしの営み」展が、2024年1月28日まで開催されている。
東京ビッグサイトで、花の展示会を主催(JFMA・日本フローラルマーケティング協会、私は理事)した際に上京した11月15日に訪問したので以下に記す。
渡し舟は、昭和村喰丸の渡辺悦子さん・下中津川の舟木由貴子さんの二人による2015年からの活動。それぞれ2001年、2003年にからむし織り体験生として昭和村に移住された。
私は2002年から、無印良品の花良品(花良)の阿部社長と「染めかすみ草」の商品開発・プロモーションで、無印良品の旗艦店(当時は有楽町店)や花良の立川店等で10年間ほど当時の昭和花き研究会と大田花き・中央花卉でかすみ草の消費拡大のための活動を行った。現在の染めかすみ草は他産地の協力もあり、20年間の取り組みで定着した。これまで無かったカテゴリーを作ったことに成功した事例で、これは無印良品が取り組んでくれたことが成功の要因になっている。その旗艦店が、先般・銀座に移転し、ユニクロが銀座マロニエ通りで近年花を売り始めたりと新しい動きが始まっている。他業種がインバウンド(海外からの来日客)が集まる銀座に旗艦店を開設する動きが多くなっている。
無印良品は、八百屋・書店・ホテルなど新業態のほか、アトリエギャラリーを併設した旗艦店を銀座に開設。その6階の2カ所のギャラリーをすべて使用し、今回のからむしの展示会が開かれた。このことはたいへん重要な出来事で、織姫事業30年の記念すべき年に開催されたことも記憶に残る。
6階のギャラリーには、現物のススキ(カヤ)でからむし畑を再現し、収穫の道具類を陳列「季節に根ざした からむしの栽培」を表現。一方のギャラリーでは「渡し舟 からむしの営み」を、からむし引きから糸に、織りにと道具類を展示し、「これからのからむしを探る」で布などの展示をしている。41点の道具・作品はギャラリーをつなぐ回廊の写真パネル・動画などで理解が進むようになっている。こうした空間構成は主催者の良品計画と「たしろまさふみ」さんが担当された。ふたつのギャラリーに良品計画のスタッフが常駐され、来場者等の反応なども、それぞれにうかがった。
主催者は、この昭和村のからむし(その農作業と基層文化)を通じて、日本社会の私たちの暮らしを再考するきっかけになれば、としている。
会場入り口には英文によるパンフレット、日本語のパンフレットが準備されており、来日客の訪問も多い。
許可を得て撮影した写真で雰囲気をお伝えすると同時に、是非首都圏に住まわれている昭和村出身者の方々への訪問をおすすめしたい。
※画像など詳しくは本紙をご覧ください。

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