■女性の人権
◇「男女共同参画社会基本法」
1999年、本法の前文では男女共同参画社会の実現を21世紀の我が国の社会を決定する最重要課題と位置付けています。
基本法が必要とされる理由は、憲法が両性平等を定めて50年以上経っても、性に基づく差別や人権侵害がなくなっていないことにあります。
なぜ、男女平等法や性差別禁止法ではなく「男女共同参画社会基本法」が制定されたのでしょうか。
具体的な数字で見てみると、女性の衆議院議員の比率は約10%で、世界186カ国中、164位です。また、男女間の賃金格差(国内所定内給与額平均)は、男性を100とすると女性は76です。ある意識調査では約80%が家事を妻が行うことに賛成しており、性別役割分業が女性の社会進出をはばんでいます。このように男女の地位が対等でないことが見て取れます。
一方で、世界の理論動向を見てみると、女性差別の禁止を受けて女性に対する暴力などが人権問題となり、さらに女性の政策決定過程への参画が重視されるようになったことで、男女が平等に参画できる共生社会をめざす動きとなっているといえます。
女性に対する人権侵害をなくし、男女が平等な立場として社会的・政治的参画を推進することが、国内外で強く求められています。
◇「基本法の趣旨と私たち」
本法は、行政や民間を問わず、方針の立案や決定に男女が対等に参画すること、また男女が共に家庭生活と仕事とを両立できるようにすることを求めています。さらに、積極的改善措置(男女間の参画機会を是正するために、必要な範囲で男女のいずれか一方に対し、必要な機会を与えること)を規定しています。
個人や団体に具体的な義務や制約はありませんが、この基本法を男女の平等を実現する手段として、うまく活用することによって、一人ひとりの資質・能力に応じた社会が実現できると信じます。
問合せ:人権課
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