3月定例議会が3月5日から3月14日まで開かれ、高岡秀規町長は令和6年度の施政方針を述べました。その内容を抜粋して掲載します。
■はじめに
本町においては、昨年5月に新型コロナウィルス感染症が「5類感染症」に引き下げられたことに伴い、徐々に各種イベントが開催できるようになりました。昨年7月には「新庁舎落成式及び祝賀会」、その後も奄美群島日本復帰70周年記念事業を冠に、数々のイベントが盛大に行われました。各種イベントの開催にご尽力いただいた関係者の皆様、実行委員会の皆様、またご協力くださった町民の皆様に深く感謝申し上げます。
それでは第6次徳之島町総合計画に掲げる将来像、「We’re OPEN~みらい輝く、とくのしま町~」の実現と地域の更なる発展に向け、令和6年度事業施策を申し上げます。
■令和6年度事業施策
○未来を担う子どもを育み、活力を生み出すまちづくり
未来を担う島われんきゃの教育を構築するために「個別最適な学び」・「協働的な学び」の充実を図り、子ども中心の学びを実現します。
今年度より生成AIを搭載したロボット「Pepper」の貸出対象を小学校だけではなく中学校へも拡充し、より一層プログラミング教育をはじめとした質の高いICT教育を推進します。また進学塾では、町内の中学3年生を対象に1人1台端末を活用し、高校受験対策に特化したオンライン学習を実施します。
プログラミング教育の充実に向けては、プログラミングスクールを継続し、全国最大規模のプログラミングキャンプに参加することで、好きな事を形にする力や未来の選択肢を増やすきっかけ作りに努めます。
子どもや教員を含め、専門的な指導や最先端の学びを実現するために「新しい時代にふさわしい教育推進事業」を実施します。沖縄科学技術大学院大学OIST等の大学及び教育機関や関連企業との連携、海外派遣事業を実施し、未来の夢の実現に向けてグローバルな視点から世界で活躍できる人材の育成を目指します。
「われんきゃポイント事業」については、年長対象児から小・中学校の児童生徒を対象に、様々な教育活動・地域活動についてポイントを付与し、子育て世帯の家庭教育を応援します。
農業の振興については、島内資源の肥料利用を推進するため、堆肥センターの施設整備・拡充、設備更新、機械導入を進め供給体制の構築を図ります。
畜産の振興については、各種事業等の活用により畜産生産基盤を強化し、畜産農家における労力負担の軽減と所得向上を図ります。また、家畜排せつ物の堆肥化促進のための堆肥舎等の整備や新たな飼料の開発、ハカマロールの有効活用や普及促進について検討を進めてまいります。
水産業については、離島漁業再生支援事業を活用することにより担い手の育成や支援を行い、「漁場の生産力の向上に関する取組」や「漁業の再生に関する実践的な取組」を支援します。
商工業の振興については、地元中小企業の経営支援を目的とする商工会育成事業やプレミアム商品券の発行に対する助成を継続することで地域活性化につなげます。
観光振興については、今年の12月にオープン予定の、道の駅「とくのしま」並びに世界自然遺産センターが観光の拠点となるよう、オープニングイベントや季節ごとのイベントを企画・開催し、町公式のSNS等で情報を発信することで、徳之島の認知度向上に努めます。
○支え合いで、だれもが幸せ感じるまちづくり
就労形態の多様化等による保育所利用ニーズの増加に応じた、保育サービスの充実に努めます。地域における子育て支援事業の充実や出産祝金事業の継続など、子育て家庭が安心して子どもを産み育てられる環境づくりを推進します。
高齢者や障がい者ができる限り健康を維持し、住み慣れた地域で元気に暮らし続けることができるよう、介護予防の充実や介護支援など、様々な面から生活を支えるよう支援します。
○豊かな自然を守り、快適で魅力あるまちづくり
固有種や希少種の生息環境の保全のための外来種駆除や盗掘盗採パトロールの継続、生物多様性の象徴であるアマミノクロウサギのロードキル対策の推進を図ります。
都市公園長寿命化事業により、今年度は総合運動公園プール施設や多目的広場施設の改修工事を実施し、利用者が安全に安心して利用できる公園施設の整備を推進します。
公営住宅整備事業では、尾母4団地の木造平屋2棟4戸の建替事業を実施し、世代のニーズに対応した住宅の整備を行い、安全・快適に生活できる住宅の確保及び住環境の向上を図ります。
○学び合い、育て合い、笑顔きらめく社会づくり
青少年育成については、本町の子宝を大切にする風土を活かし、「地域の子どもは地域で育てる」環境づくりを推進し、青少年の地域行事への参加促進を図ります。
今年度は新たに、とくのしま劇団事業を実施し、子ども達の情操教育ならびに健全育成に取り組んでまいります。
町誌編さん事業では、町で記録している映像資料などをデジタル化し、デジタルアーカイブとして広く町民が視聴できるような環境整備を進めます。
○安全・安心で持続可能なまちづくり
社会資本整備道路事業として、亀津19号線道路拡張工事の用地買収や建物補償を進めます。通学路や生活道路等についてはゾーン30整備事業を活用した整備を進めます。また、災害に強いまちづくりを推進するため、避難場所への公衆トイレの設置を進めるとともに、災害発生後に必要な備蓄用の食料品や消耗品を確保するなど、避難所設備の整備を進めていきます。
○絆を育み、ともに考え行動するまちづくり
徳之島町行政改革大綱を基に、各種事業を実施する中でPDCAサイクルによる見直しを行い、町民のニーズに対応した費用対効果の高い事業を推進します。
また、東天城中学校建設や観光拠点整備事業、今後も大型事業を控えており、補助金や交付税措置がある有利な地方債の活用を検討し、財政負担の軽減を図ります。
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