くらし あなたの身近な相談相手 地域を見守る民生委員(2)

■どんな活動をしているの?地域で活躍する民生委員に聞いてみました!
▽啓明地区担当 河野恵美(こうのめぐみ)さん(62歳)
民生委員経験14年4か月
職業:団体職員
・大きな「プラス」を感じて活動しています
民生委員を始めたきっかけは、町内会の方からお声がけいただいたことでした。「どんな活動をやればいいか」は先輩方が親切に教えてくれて、一人ではなく地区の仲間がいるので安心でした。活動を続けていく中で、顔を覚えてくれる方も増え、今では頼りにされることにやりがいを感じます。ある時「近くに住んでいる方が急遽入院したが、ストーブがつきっぱなしで火事の危険があり、どうしたらいいだろうか」と、歩くのもやっとの高齢の方が直
接相談に来られたことがあり、関係者と協力してストーブの火を消して、関係機関につなぎました。私たち民生委員が、地域のつながりの中心として欠かせない存在だという事例として印象に残っています。活動には、時間や労力を使うこともありますが、私にとってはそれ以上のプラスを得られています。普段は平日の週4日間、9時~17時まで働いていて、仕事中に電話がかかってくることもありますが、休んで対応が必要なことはほぼなく、プライ
ベートの時間も十分にあり、出来る限り続けていきたいと思っています。

▽春光中央地区担当 田澤淳子(たざわじゅんこ)さん(44歳)
民生委員(主任児童委員)経験2年
職業:保育士
・子育ての経験を活かせる場なんです
私は「主任児童委員」として、主に赤ちゃんが産まれたご家庭に絵本を配布する活動をしています。ただ配布するだけではなく、同時に親御さんの体調や困り事も聞いてみています。子育て時の孤立を防げるよう、少しでも不安解消のお手伝いをしたい思いがあるんです。私自身、子育てに苦労した経験があるので、悩む親御さんに寄り添い、お力になれたらなと思っています。お話しした方からは「元気をもらえる」と言っていただくことがありますが、実は人見知りで活発な性格ではなく、その改善も委員になった理由でした。大切にしているのは「できる範囲のことをやる」ことです。何よりもまず自分が元気に明るくいられないと本末転倒ですし。活動は、仕事が休みの日や夕方など空き時間に行うので、負担は感じていません。仲間がサポートしてくれて、研修体制も整っているし、いろんな方と交流できて楽しいです。お声がかかって引き受けるか迷ったときには「あまり真面目に頑張りすぎると続きませんし、自信がなくても大丈夫」とぜひ教えてあげたいですね!

▽春光西地区担当(地区会長)旭川市民生委員児童委員連絡協議会会長 佐川徹(さがわとおる)さん(76歳)
民生委員経験38年4か月
・やりがいを感じて楽しくキーワードは「良(い)い加減」
民生委員は厚生労働大臣から委嘱を受ける「非常勤特別職の地方公務員」です。守秘義務があり安心してご相談いただけますが、直接的に問題解決する立場ではなく行政や関係機関との「パイプ役」とご理解ください。各地区からの推薦を受け委員になっていただきますが、選ばれたからといって思い詰めて気負う必要はなく、仕事と両立させる委員も大勢います。仕事や生活と「良い加減」にバランスをとることを推奨していて、むしろ私のように多少「イイカゲン」な方が向いているくらいなので(笑)、地域から委員就任に関して声をかけられた際には前向きなご検討をお願いします。

■民生委員の活い動をPRする独自事業 小学生による作文コンテスト
・新しい取組みを進めています
最優秀賞:岩内愛莉(いわうちあいり)さん
市内の全委員で構成する旭川市民生委員児童委員連絡協議会では、委員を身近に感じ、支え合う住みよい地域の実現に向け、小学5・6年生を対象とした作文コンテストを行っています。第2回となる令和6年度は永山西小学校6年(受賞当時)の岩内愛莉さんが最優秀賞に輝きました。
岩内さんは「両親が小さい頃の自分の映像を見て『どんな日も宝もの』と母が言ってくれた出来事を思い出し、普段は恥ずかしく言葉にできない、家族を大切で特別な存在と感じている自分の思いを書きました」と話してくれました。