くらし 地域で支えるあなたらしさ 認知症とともに生きる(2)

■まちの中にやすらぎのひととき 認知症カフェ
認知症カフェは、認知症の方や家族、認知症に関心のある方、地域の方など、誰でも気軽に参加できる場所です。認知症ケアの経験を持つ専門職がいますので、気軽に相談したり、情報交換したりすることができます。
認知症カフェを運営する二つの団体に、立ち上げのきっかけなどを聞きました。

◆オレンジカフェ笑顔届け隊(代表 西村さん)
○認知症カフェ立ち上げのきっかけ
当時、グループホーム(認知症対応型共同生活介護)で働いている中で、自分が認知症をもっと知って、地域の人たちにも知ってほしいと思ったからです。

○開催した感想と運営の工夫
参加者から「参加して良かった」「生活を考えるきっかけになった」と言ってもらえたことがうれしいです。自分が伝えたい情報や参加者が知りたい情報を普段からキャッチできるように意識しており、分かりやすく伝えるよう工夫しています。

○今後はどんな認知症カフェに
活動方針は〝知ること、語ること、相談すること〟です。誰もが気軽に参加できて、情報を知る、相談することで生活の選択肢を広げてもらえればと思います。

◆歯・ハ・ハほっとカフェ(代表 逸見さん)
○認知症カフェ立ち上げのきっかけ
訪問診療をしていると、他者との交流をしていない人が多いと感じたため、地域の方が集まれる場所を作り、自宅から出るきっかけをつくりたいと思ったからです。歯科と認知症はつながりがあるので〝口は大事〟ということを広めたいです。

○開催した感想と運営の工夫
みんな笑って帰っていくのがうれしいです。楽しかったと思ってもらえるよう、参加者同士でお茶を飲みながら交流する時間を設けているほか、運動や脳トレメニューも用意しています。

○今後はどんな認知症カフェに
認知症だけでなく口腔についても学べることを周知し、口コミで広げてもらい、参加者を増やしていきたいです。

市内では現在、今回紹介した団体を含め七つの認知症カフェが開かれています。開催日時などは毎月の広報いわみざわをご覧になるか、市ホームページを確認してください
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■手と手をつなぐ、オレンジの絆 チームオレンジ
チームオレンジは、認知症の方やその家族、認知症サポーターを中心に、認知症の方のやりたいこととサポーターのできることをつなぎ、活動する仕組みです。
市内ではチームオレンジ〝ひまわりの会〟が、認知症の本人同士が集い日々の悩みや思いを話す〝よりみちカフェ〟や家族の交流会〝ほっとファミリーカフェ〟を中心に活動しています。
すべての人が、住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けられることを目指し、皆さんもチームオレンジ活動に参加しませんか?興味がある方は、岩見沢市地域包括支援センターにお問い合わせください。

◆よりみちカフェで話を聞いてきました

〔認知症の方の声〕
○診断された時の思い
「この病気にはなりたくない」と思っていた病名を言われてショックでしたが、はっきり言ってもらえてよかったし、納得できました。むしろ、診断前の方が不安でした。

○どんな風に接してほしいですか
腫れ物に触るようにされると落ち込みます。記憶力は落ちていますが自分は何も変わっていないので、今までと変わらず接してほしいです。認知症でもできることはたくさんあります。どうしたらできるかを一緒に考えてほしいです。

○よりみちカフェに参加して
同じ病気の人と話すことで気付けることがあります。何をしたいかみんなで考え実行して、交流して…とても楽しいです。集まる場があるって大切ですね。

○読んでいる方に伝えたいこと
誰だって認知症になる可能性がありますが、認知症になりたくてなる人はいません。認知症は恥ずかしいことではないし、病気にはなりましたが自分という個人は変わっていません。忘れてしまうことも「大丈夫」と言われると安心します。

〔ひまわりの会の皆さんの声〕
○活動のきっかけ
認知症をもっと知りたいと思ったのと、介護や家族の孤独を経験し、少しでも手助けができる活動をしたいと思ったからです。

○認知症に対する意識の変化
人ごとではなく、隣の大切な人や自分のこと、そして普通のことだと思うようになりました。

○岩見沢をどんな地域に
住み慣れた場所でずっと暮らしていける、集まれる場がたくさんある、そういう当たり前のことが普通にできる地域を目指しています。

認知症の方もできることはたくさんあります。大切なのは、本人の力を理解し、共に支え合える地域をつくることです。そのためには、地域の皆さんの理解と協力が必要です。まずは、正しい理解から始めてみませんか?

問合先:岩見沢市地域包括支援センター(高齢介護課内)
【電話】25-4649