子育て 令和7年度 全国学力・学習状況調査結果(概要)

全国学力・学習状況調査が開始されて以来、市では、教育目標である「明日をひらく子どもの育成」のため、全校が一丸となって共通・一貫した取り組みを進めてきたことで、子どもたちの学力・学習状況は着実に向上しています。教育委員会では、引き続き「網走市学校教育推進プラン」に基づき、未来を担う子どもたちに必要な資質・能力の育成を目指します。

調査結果の詳細は、市公式サイトに掲載しています。
【HP】https://www.city.abashiri.hokkaido.jp/soshiki/26/2224.html

■1 調査の概要
(1)調査の実施日 4月17日(木)
(2)調査の対象学年 小学校第6学年 208名 中学校第3学年 227名
(3)調査の内容
1…教科に関する調査(小学校:国語、算数、理科/中学校:国語、数学、理科)
2…生活習慣や学習環境などに関する質問紙調査(児童生徒に対する調査、学校に対する調査)

■2 平均正答率の全国・全道との比較

■3 「国語、算数・数学、理科、児童・生徒質問紙」調査結果チャート

[小学校の調査結果の傾向]
いくつかの領域で全国平均を下回る傾向が見られ、特に児童の学習への意欲や、日々の生活・学習習慣の定着に課題があることが示唆されています。
一方で、全国平均を上回る傾向が見られた領域もあります。特に「ICTを活用した学習状況」や「主体的・対話的で深い学び」「主体的な学習の調整」に関する数値が全国平均を上回ったことは、本市が推進してきた教科指導におけるICTを有効活用した学習活動の充実や、児童の自律的な学習を支援する取り組みが成果を上げていることを示しています。

[要因]
本市の児童は、授業における望ましい学び方は身に付けているものの、それが国語・算数の学力向上に十分につながっていません。その主な要因として、授業以外での学習習慣や日々の生活習慣の数値が全国平均に達していないことが考えられます。特に「読書など」の項目が低いことは、国語の学力に影響を及ぼしている可能性があります。また、「自己有用感」が低いことは、学習意欲の低下につながり、学力向上を妨げる一因となっていると考えられます。


[中学校の調査結果の傾向]
いくつかの領域で全国平均を下回る傾向が見られ、特に数学や学習習慣の定着に課題があることが示唆されます。
一方で、全国平均を上回る傾向が見られた領域もあります。特に「国語に関する意識」や「国語の学習活動」に関する数値が高く、国語の学力定着につながっています。また、「主体的・対話的で深い学び」や「総合・学級活動・道徳」の数値も高く、本市が推進してきた個別最適で協働的な学びの一体的充実や、自ら設定した課題を解決していく生徒の探究的な学習を支援する取り組みが成果を上げていることを示しています。

[要因]
「数学の学力」が全国平均を下回る主な要因として、「数学に関する意識」や「数学の学習活動」の数値が低いことが影響していると考えられます。また、「学習習慣」や「生活習慣」の数値が全国平均を下回っていることは、全教科の学力に影響を与える可能性がある重要な課題です。
一方で、「国語の学力」や「国語の学習活動」の数値が全国平均を上回っていることは、国語教育に対するこれまでの取り組みが成果を上げていることを示しています。また、「主体的・対話的で深い学び」や「理科の学習活動」も良好な結果を出していることから、授業改善の取り組みが、生徒の変容として確実に成果を上げていると考えられます。

■4 網走市教育委員会における学力向上の主な方策
1 教職員の指導力を高めるために、教職員研修の充実を図ります
・中学校区連携による教職員研修の推進、「学びEXPO in網走」の開催や学力向上の先進地域への視察研修など、網走市総合学校力向上推進委員会の活動を支援するとともに、市教育委員会主催の研修会を開催し、教職員の指導力向上を図ります。
・道教育委員会の専門的教育職員による学校教育指導を複数回要請し、授業改善や研究協議の充実を図ります。

2 子どもの学びを支える教育環境の整備を図ります
・学習内容をより分かりやすく伝えるためのICT機器(実物投影機、タブレット端末、電子黒板、デジタル教科書など)を整備し、活用に関わる研修会を開催します。
・学校図書館司書の配置や学校図書の整備など、読書環境の改善や学校図書館機能の充実を図ります。

3 子どもたちに自ら学ぶ意欲を育み、確かな学力の定着を図ります
・学習内容の定着を図るため、長期休業中や放課後の補充学習の充実、少人数指導や習熟度別学習、学習支援員の配置など、きめ細かな学習を推進します。
・児童生徒一人一人の理解を深めるため、学力状況を把握する標準学力検査や、学校での適応感を把握する検査の活用を促進します。

4 特別支援教育の充実を図ります
・特別支援教育支援員などの人的支援の充実や関係機関との連携を図ります。
・教職員や保護者の特別支援に対する理解を深めるため、研修会の実施、教育相談体制の充実を図ります。

5 思いやりを大切にし、豊かな心や地域を愛する心を育みます
・「網走市子ども会議」を開催し、誰もが楽しいと思える学校づくりに児童生徒が主体的に取り組もうとする活動の充実を図ります。
・地域に対する愛着や関心を高めるために、地域を素材とした総合的な学習の時間、ふるさと教育、食育などの充実を図ります。

6 地域、保護者との連携を図り、地域とともにある学校づくりを推進します
・学校と家庭、地域住民などが「地域でどのような子どもたちを育てるのか」「何を実現しいくのか」という目標やビジョンを共有し、特色ある学校づくりを進めていくために、コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)を推進します。
・地域、保護者とともにある学校を目指し、「オープンスクール」の実施や「網走市学校支援地域本部事業」によるボランティアの活用など、地域、保護者との連携を図ります。
・小・中学生と地域の高校、大学との交流を推進し、児童生徒が新たな興味や関心を引き出すさまざまな体験学習などの充実を図ります。

問い合わせ:学校教育課学務係
【電話】67-5396