- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道知内町
- 広報紙名 : 広報しりうち 2025年1月号
■十七夜講(じゅうしちやこう)
知内公園にある姥杉(うばすぎ)は、雷公神社の初代神主の妻、玉之江(たまのえ)を埋葬(まいそう)した際に植えられた杉と言われています。玉之江はお乳の出ない母親のことを心配しており、杉には根元に二つのコブができました。そのコブに祈願(きがん)するとお乳の出が良くなったという伝説があります。
その姥杉に関連して毎年1月17日に行われているのが十七夜講です。天保年間(1830~44)頃から始まったと言われ、特徴(とくちょう)的なのが神主以外みな女性ということです。昭和30年代までは姥杉に授乳や安産を祈願した後、雷公神社で名前の通り夜通しで歌い踊ったそうです。日頃家事や育児に追われる女性たちが、この日ばかりは解放されて楽しむ、そんな祭りの日でした。現在では日中に行われるようになり、授乳祈願だけでなく厄除けや家内安全を願う人もいます。
祭壇(さいだん)には米粉を練(ね)って乳房型にした「しとぎ」が備えられます。神主が祝詞(のりと)をあげ、参拝者がお参りした後、お神酒に浸(ひた)したしとぎが配られます。それを焼いて食べるとお乳の出が良くなるということです。
令和3年から十七夜講はお休みしています