- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道森町
- 広報紙名 : 広報もりまち No.248 令和7年11月1日号
■鷲ノ木遺跡の発掘調査(1)
縄文時代後期(約4,000年前)の環状列石と竪穴墓がある鷲ノ木遺跡は、北海道縦貫自動車道の開発工事に伴い2002年に発見されました。以降、複数回にわたる発掘調査により、豊かな精神文化を育んだ縄文人の暮らしが少しずつ明らかになっています。
最初の調査は2003年~2004年にかけて行われ、縄文後期を中心に縄文早期(約8,000年前)から続縄文時代(約2,000年前)までの土地利用が確認されました。この調査成果を基に遺跡を保存することが決まり、2006年には縄文時代の人々の精神文化や北海道と本州の交流を示す重要な遺跡として、国の史跡に指定されました。
その後、未調査部分や環状列石と関連する遺跡の広がり等を確認するため2006~2010年、2012~2016年にそれぞれ発掘調査を実施しました。その結果、環状列石が造られた丘陵上では土器や石器等の出土数が計60万点を超え、環状列石が造られた前後の時期の人々が活動していた痕跡が多数確認されています。環状列石を中心とした当時の様相が明らかとなってきたことで遺跡の重要性はさらに高まり、2012年には80,000平方メートルを超える面積が史跡としての指定を受けています。
現在は令和9年度の公開を目指して整備が進められ、2022年から断続的に発掘調査を実施しています。
次号では最近の調査成果をご紹介します。調査成果の詳細を知りたい方は、森町教育委員会社会教育課までお気軽にお問い合わせください。
