くらし 法テラス江差通信~スマートフォンと相続~(第185号)

近年、スマートフォン(以下「スマホ」といいます。)が全世代に普及しました。それに伴い、死亡時にスマホが残ってしまうといった事態が想定されます。スマホは1つの端末で様々な情報を管理することができ大変便利ですが、その反面、相続が発生した場合は様々なトラブルを生む可能性があります。
そこで、今回はスマホと相続について、気をつけるべきことなどを取り上げたいと思います。
故人のスマホが見つかり、スマホにロックがかかっていた場合、相続人はスマホのロックを解除できるかどうかを確認することになります。これには、故人のスマホのパスワードが必要になります。
ここで注意することは、スマホによってはパスワードを複数回間違えると自動でスマホの中身を初期化してしまう機能がついている場合があることです。そのため、故人のパスワードが分からない場合に、闇雲にパスワード候補を入れるのはやめたほうが良いです。
このような事態を回避するには、家族にあらかじめパスワードを共有しておくことや、エンディングノートなどにスマホのパスワードを記入し万が一の時に備えるといったことが考えられます。
もし仮にスマホのロックが解除できたとしてもいくつか気をつけるべきことがあります。
まず、他に相続人がいる場合は、他の相続人にスマホを確認することの同意を得たほうが良いです。可能であれば、他の相続人も一緒にスマホを確認したほうが良いです。他の相続人の意見を聞かずにスマホの中身を確認した場合、思わぬトラブルに発展することがあります。
次に、故人のスマホアプリにログインする際は、スマホを機内モードなどにしてネットにつながらない状態にしたほうが良いです。これは、ネットにつながった状態でアプリにログインしたことでアプリの規約違反になるといった事態を回避するための対応です。
以上のとおり、故人のスマホを取り扱う際は、慎重に行ったほうが良いです。また相続時のトラブルが起こらないようにスマホに関する情報を日頃から整理することも大事です。
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法テラス江差 弁護士 樋口 直久