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◆今月のテーマ 食中毒と損害
4月からパークフロント法律事務所の一員となりました、弁護士の土屋文絵です。「あっ、そうなんだ。」と、お役に立てるような情報を提供できればと思っています。
さて、今年の冬は、道内でもノロウイルスなどの被害が相次ぎました。そこで、今回のテーマは食中毒と損害です。
飲食店で提供された料理などが原因で食中毒に罹患(りかん)した場合、来店客は不当行為などに基づき、治療費や慰謝料などについて損害賠償請求をすることができる場合があります。
裁判例では、例えば飲食物にアニサキス(寄生虫)が含まれており、来店客がこれによりアニサキス症に感染した事案では、飲食店の経営者はアニサキスを発見、駆除することができたにもかかわらず、それを怠ったとして注意義務違反(過失)があったものとして損害賠償責任が認められました。
他方、焼肉店でユッケ用の肉を飲食した来店客が食中毒で死亡した事案では、飲食店の店長らは過失が認められないとして損害賠償責任が否定されました。事件当時、食中毒が発生する前において、具体的な危険を認識すべきであったとはいえなかったこと、また、仮に本件事件後に国が定めた基準によるトリミング処理を行ったとしても、本件食中毒の発生を回避できたとはいえなかったことなどを理由としています。このように、損害賠償請求の可否は飲食店などに注意義務違反があったかどうかがポイントとなります。

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