文化 栗山の知られざる歴史、今ここに蘇る 町史の隠れ家

町史資料調査室・研究員/青木隆夫

◆No.36 鏡に時の流れを映す「町民憲章碑」
栗山町役場の前庭に、基壇(きだん)の煉瓦の上に何か書かれた黒い石と、後ろにステンレス・ミラー製の三角錐が二つ並んだオブジェがあります。光を反射し、その日の天候と周囲の風景の一瞬を映しだす鏡面の輝きと、斬新な造形の独創性に目を惹かれました。
このモニュメントは昭和54年9月、この場所に置かれた「栗山町民憲章碑」です。
町民憲章は、昭和53年の栗山町の開基90周年事業の中で制定され、今も交流が続く栗山と宮城県角田市との姉妹都市提携が結ばれたのもこの年でした。
「町民憲章碑」はその翌年、ともに創立10周年を迎えた記念として、栗山青年会議所と栗山ロータリークラブから町へ贈られたものです。
台座には、憲章の前文「わたくしたちは、夕張川の流れとともに、たくましい先人の夢を育て、輝く未来を築く栗山町民です」と条文が刻まれています。石材は遠く角田市の石材店が施工した黒大理石が使われました。
鏡面仕立ての三角錐のイメージは何だったのでしょうか。建碑から35年を経た栗山の日々を、今も町民憲章とともにキラキラ輝きながら映し続けているようです。

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