健康 診療所だより No.326

診療所長 浦本幸彦

■「でも」と「けど」
ちょっと前から思ってたんですけど、春と秋が短くなったように感じます。雪が解けたと思って暖かい日差しの季節、春が来たと思ったら、それほど楽しむことなく暑い夏が始まります。
いつまで暑いんだと耐え忍んで、やっと涼しくなり紅葉でも楽しもうかと予定を立てていたら葉が落ち、雪が落ちてきます。気分的なもんでしょうかね。
今年の雪はどうでしょうね。あまり面倒な事にならなければいいんですけど。最近は荒っぽい天候が多いので害を及ぼさない事を願っています。
さてインフルエンザですが11月初旬に深川保健所より患者数増加による警報が発令されました。わが町北竜でも徐々に感染の兆しが現れてきています(11/13現在)
インフルエンザワクチンは発症の予防と重症化の予防効果が期待されます。発症は50%~60%程度の患者数減少が期待できるそうです。
予防接種を受けたが既に罹患された方からは親子とも37度台の熱で高熱は出なくて比較的楽にやり過ごせたと報告がありました。ワクチン効果だと喜んでいました。
北竜町のインフルエンザワクチン接種率は高く、感染は完全には防げませんが重症化は防げている印象があります。
ワクチン接種から抗体産生までに2週間程度は時間がかかりますのでその点を考慮してください。また効果の持続期間は5~6カ月と言われています。指を折って数えてご自分がいつ頃打てばいいのかご検討ください。
さて毎日の診察室における生活習慣指導こぼれ話です。主に食事療法、運動療法についてお話しています。高血圧症、糖尿病、脂質異常症がありますし各々状況が異なりますので各人各様のお話をしています。
診察の中で気になるキーワードが出てきます。
「でも」「けど」などの逆説の接続詞です。
「でも、けど」パワーはすさまじいです。
生活指導でこちらがお話します。話し終わって患者さんの開口一番が「でも」「けど」です。
いいんですよ、自由に意見を交換する場ですし、自由に言えるって事は抑圧や強制などないわけですから。
でも(笑)主治医が一生懸命アドバイスした直後に返す刀で切り刻まれれば、それも毎度となると力が抜けます。
まあこちら側に、説得力と言いますか威厳と言いますか信頼度が薄いと言われればそれまでですが。鼻っから否定せず「そんな意見もあるんだね」程度で柔らかく温かく見守って頂ければ幸いです。
実はですね、アドバイスに対する返答に変化は出始めているんですよ。「でも、けど」期から「白旗」期が出始めています。「できてないっすね」「やれていません」正直に答えてくれています。拒絶から受容になってきています。ええ事です。
でも(笑)「やってみろや」

◆北竜町立診療所
休診日のお知らせ
12月24日(水)は午後1時30分より、浦本先生が深川市において介護認定審査会に出席のため、午後より休診となります。