健康 診療所だより No.320

診療所長 浦本幸彦

■謝罪
五月に入りますと道路に泥が付くようになります。春の知らせは色々ありますが農地が息を吹き返した証として毎年頼もしく見つめています。
さて私の個人情報ですが、一番下の娘も親元を離れて一年経ちました。春休みに帰って来た時は子供より親が喜んでいます。小さい時から好き嫌いは無い子でした。
なんでも食べる娘を見て私は「えらいね、何でも食べて」と褒めていました。沢山食べた時も「すごいね、沢山食べて」と。幼少時には間違った教育ではないと思います。
僕が小学生の頃、戦後20年は経過していたのですが、何でもたくさん食べる事は、良い事で推奨されるべき風潮だったと認識しています。
その証拠に体格の良い子は「健康優良児」として表彰されていました。
小学校二年生のある日、友達の「ひろブー」が前の日曜日に区民体育館で健康優良児として表彰されたと先生が話してくれました。
仲が良かったので僕自身も嬉しかった記憶があります。「ひろブー」はその名の通り僕らより頭一つデカく横はふたつばかし大きく今なら標準体重オーバーで肥満として栄養指導が入る程度でしょう。指導と言えばそのあだ名も今では指導ものですが、ハラスメント問題は一旦置いときましょう。
問題はですね、私が末娘に謝罪しなければならない事なんです。
私が「食べろ食べろ、たくさん食べろ」思想で接したものですから父親思いの娘は一生懸命食べてくれました。
春休みに帰省した時、喜んだ親たちはたくさんの食事を用意して迎えました。その時、しっかり食べてくれる娘を見て当初微笑んでいましたが、食べた量を考えるとふと疑問が湧きました。育ち盛りなんて言葉に惑わされて幼い時の様にたくさん食べさせていいのかどうか。日頃患者さんに言っている事を思い出し反省しました。最近では若い人でも生活習慣病を患っている方は多くなりました。
また野郎なら兎も角レディーはそろそろ食い気より優先してほしいものもあります。
そんな訳で春休みに帰省した際に娘に謝りました。娘は笑って聞いてくれましたがどれだけ真剣に受け取ったかは不明です。迷惑な話ですよね。謝られたりすれば娘自身の食生活を否定する形になりますもんね。気に食わない話ですが受け入れてくれたと思いたいです。
ところで、皆さまは私の娘ではありません。ですが、北竜町の健康管理に携わる一人として一言言わせてください。
食欲の赴くまま好きなものを好きなだけ摂取していませんか?ご両親が食べろ食べろ思想の方は特に要注意です。適切な内容で適切な量を食べていれば問題ないのですが、その「適切」は個人の判断ですもんね。
ご両親に謝られないよう御注意下さい。

◆北竜町立診療所
休診日のお知らせ
6月4日(水)は午後1時30分より、浦本先生が深川市において介護認定審査会に出席のため、午後より休診となります。