くらし あったかす発「北の大地から」

鷹栖町長 谷 寿男

■あったかファームと新規就農者
平成30年4月に新規就農者の育成を目的に開設した「あったかファーム」は、今年で8年目を迎え、新たに岡本さんと齋藤さんの2名が研修生として汗を流している。各々が農業の重要性を理解し、農業を生活の基本において地域も盛り上げたいと意気込んでいる。
今まであったかファームを卒業したのは、夫婦一緒に研修を受けた方々を含め、全部で13組いらっしゃり、卒業後には全員が「きゅうり農家」として独立し、経営をスタートさせている。私も職員と新規就農者の近況や課題を伺うために訪問をしているが、どの方も表情が明るい。「サラリーマンの時より家族との時間が多く取れて嬉しい。」、「収入も多くなり、自分で頑張った分だけ儲かることを実感している。」、「身体に無理をかけずに、自分のペースで面積や作物も変えることができる。」、「息子夫婦が農産物の美味しさを知り、農業に興味を持ち、鷹栖に移住したいと言っている。」等々、聞いている私たちまで嬉しくなるお話をたくさんいただいた。
また、農業青年団体が中心となり小学生への田植え等の体験活動でもドローン作業を見学してもらうなど、農業が従来の3K(キツい・汚い・危険)ではなく、現在はスマート農業の推進で新3K(簡単、きれい、カッコいい)に変化していることも実演している。
日本では、米不足や後継者不足の問題など農業行政が混とんとしている中、鷹栖町の若い農業者は将来を見据え、たくましく根を張り始めている。