- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道占冠村
- 広報紙名 : 広報しむかっぷ 2025年12月号
皆さんが健康で元気に過ごすための役立つ情報をお届けします
■高血圧を予防・改善しよう!
日本の高血圧患者は約4300万人と推定されていますが、このうち治療によって血圧が良好にコントロールされているのはわずか27%程度にすぎません。血圧を適切に管理するためには薬の服用だけでなく、生活習慣の改善が不可欠です。
▼病気のリスクが高まる血圧の値
高血圧とは、一般的に診察室血圧で140/90mmHg以上(収縮期/拡張期血圧)を指します。しかし、脳卒中、冠動脈疾患、慢性腎臓病、心不全、心房細動、認知症などの病気にかかるリスクは、120/80mmHgを超えると高くなります。血圧が少し高いだけでもさまざまな病気のリスクがありますので、ご注意ください。
▼尿ナトカリ比について
「尿ナトカリ比」とは、尿中に排雪されたナトリウム濃度とカリウム濃度の比のことです。食事から摂取したナトリウム(塩分)とカリウム(野菜等)の量比を評価する指標となり、ナトリウムの過剰摂取やカリウム不足などによってこの比率は高くなります。
塩分摂取過多は高血圧を招く要因の一つです。最新の高血圧ガイドラインには高血圧の予防・管理に関し、この尿ナトカリ比を用いることが有効であると記されています。
▽尿ナトカリ比

日本高血圧学会が提唱する目標値:
・至適目標(理想)…2未満
・実現可能目標…4未満
※尿ナトカリ比は、医療機関で尿検査を行うことで測定できます。
■夜間高血圧にご注意を!
「夜間高血圧」とは、睡眠中の血圧が正常範囲を超えて高く維持される状態のことを言います。通常、夜間の血圧は、昼間の覚醒時と比較して10~20%低下しますが、夜間高血圧だとこの正常な低下が起こらない、または逆に血圧が上昇してしまいます。夜間の血圧が120/70mmHg以上(昼間は135/85mmHg以上)は高値血圧とされ、臓器障害などのリスクが高まります。
昼間に血圧が高い場合は身体的・精神的ストレスなどに関連がありますが、夜間高血圧の場合は、循環血液量の増加(心臓や腎臓への負担)、自律神経障害、睡眠時無呼吸症候群、抑うつ状態、認知機能低下などが危険因子として挙げられますので、生活習慣の根本的な見直しが必要です。
▽定期的な測定を!
血圧は、朝だけではなく就寝前や機会があれば日中測定し、ご自身の血圧の日内変動を把握することが大切です。
■生活習慣改善のポイント
▽ナトリウム(塩分)摂取の制限
高血圧の方の減塩目標は「1日6g未満」です。例えば、ラーメンは汁まで飲むと約4.5gの塩分摂取となるため、全て飲むのは控えましょう。
▽飲酒・喫煙の制限
飲酒や喫煙は、高血圧だけでなく、脳梗塞、心疾患、睡眠時無呼吸症候群、がんなど、多くの病気の原因となります。適正体重の維持内臓脂肪が多い人は、インスリン抵抗性を介して血圧が上昇しやすくなります。BMI25未満を目安に、適正体重を維持しましょう。
▽適切な睡眠
必要な睡眠時間には個人差がありますが、成人は6時間以上が推奨されています。ただし、長すぎる睡眠も体に負担となるため注意が必要です。
▽適度な運動
有酸素運動(ウォーキング等)と等張性レジスタンス運動(筋力トレーニング)の複合運動により、血圧を4~7mmHg下げる降圧効果があります。運動は1回につき10分以上継続し、1日合計40分以上行うことが望ましいとされています。
問合せ:住民課保健予防担当
【電話】56-2122
