- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道天塩町
- 広報紙名 : 広報てしお 2026年1月号
天塩町長 吉田 忠
新年あけましておめでとうございます。
町民の皆様におかれましては、健やかに新春をお迎えのことと心よりお慶び申し上げます。昨年は、町政各般にわたり多大なるご理解とご協力を賜りましたこと厚くお礼申し上げます。皆様の日々の暮らしを支える地域活動や健やかに成長するこども達の笑顔、努力と工夫を重ねる力強い産業の姿に勇気をいただき、山積する課題に真摯に取り組み、マチづくりへの歩みを進めることができましたこと、心より感謝を申し上げます。
昨年を振り返りますと、災害対応や人口減少への対策など、改めて町政の執行の責任の重さを感じる1年でありました。
8月には観測史上最大の記録的大雨に見舞われ、農村地区を中心に農地の浸水や林道の一部崩壊、住宅の床上・床下浸水などの被害を受けました。幸いにも人的被害はございませんでしたが、この度の災害で被害にあわれた皆様におきましては、改めまして心よりお見舞い申し上げます。今回の豪雨災害は、国による「激甚災害」の指定を受けました。町としましても早期復旧に向けて、関係機関と連携しながら対応を進めているところでございます。
地域が抱える課題に国の職員が伴走支援する「地方創生伴走支援制度」が昨年創設されました。町政を数年経験し、まちの課題も次第に見えてきたところで、本制度の活用に応募したところ、北海道では、数ある自治体の中から本町を含む6町村が選定されました。本町では、3名の地方創生支援官(総務省、農林水産省及び財務省)に産業振興や人材確保などの課題解決に向けたご支援とご助言を日々いただいております。限られた期間での支援となりますが、マチづくりに新しい風を吹き込むことに大変刺激を受け、身の引き締まる思いで「地方創生」に向けた施策の検討を重ねております。
昨年春の天塩高等学校の入学者数「15人」という数字に、人口減少と少子化の進行を痛切に感じさせられました。従前は、1学年2間口維持に向けた様々な魅力化施策を推進してまいりましたが、近年は、1学年1間口となりました。地域における高等学校は、若者の流出を防ぎ、地域の人材を育成していく基盤であり、マチの未来をより確かなものとするために必要な存在です。この少子化という難局を乗り越え、地域に高校を残していくために、天塩高等学校存続期成会の活動を再開しました。近隣町や関係機関と連携しながら、天塩高等学校の存続に向けた要望活動を実施しております。
国勢調査が実施されましたが、本町の人口は約2,500人にまで減少し、私が生まれた昭和40年の人口約9,500人と比べ60年間で約1/4の人口となりました。都市部への人口一極集中や人口減少は、日本全体としての課題ではありますが、地方創生伴走支援制度を活用する中で、マチづくりにおける「縮充」という考え方を知ることができました。人口減少を受け入れつつ充実したマチづくりを目指す、人口が減っても元気な地域を皆様と作っていこうという考え方です。町民の皆様はもちろん、町外にも本町のマチづくりを応援いただける方々や、専門知識を持った貴重な人材がございます。関係機関や民間企業と連携した取り組みの中で、多くの方々との「つながり」を持つことができました。これら多様な外部人材の知見やノウハウを活用すること、地域への人の流れと関係性を創ることで、地域の魅力と価値を一層高めることができ、充実したマチづくりが実現できると考えております。地域おこし協力隊制度は、地域の新たな担い手として地域力の充実を図る取組みです。本町では現在、2名の地域おこし協力隊が地域で活躍しており、新年も新たな分野で数名の地域おこし協力隊希望者が内定しておりますので、地域の一員として共にマチづくりに取り組めることを心待ちにしております。また、多様な外部人材を活用し、その知見とノウハウをマチづくりに積極的に取り入れる体制を構築していきたい思いです。
不安定な国際情勢において物価高が長期化する中でも、町の基幹産業であります農林水産業は、力強く経営を続けており、生産者の皆様の継承されてきた技術と日々の努力に心より敬意を抱いております。また、夏季に開催されました「天塩川しじみまつり」は、数年ぶりに2日間の日程で天塩高等学校とも連携して開催され、町内外から約1万5千人の多くの皆様にご来場いただきました。天塩川河川公園を会場とした本イベントも3回目を迎え、出店者と来場者も年々増加しており、町を代表するイベントとして盛会に開催することができました。多くの皆様の支えと「地域の一体感」を感じられたこと、大変嬉しく思っております。観光人口でも定住人口でもなく、地域や地域の人々と多様に関わる人々を「関係人口」といいます。観光人口の増加も大変喜ばしいことであり、町外の方々との交流が活発に行われることで、新たなつながりが生まれるものと存じます。そのつながりが関係人口となり、定住する人口にとどまらず、天塩町の未来を創るマチづくりの担い手となることに大きな期待を抱いております。私もこれまで築き上げてきた多様なスキルを持った外部の方々とのつながりを大切にしつつ、より多くの方々と新たな関係を築き上げていくことで、関係人口の増加に尽力してまいります。
さて、新年は「丙午(ひのえうま)」の年です。丙と午どちらも「火の陽」を表しますことから、地域にとっても皆様にとっても「陽気」と「勢い」に満ちた実りある一年となることに期待を抱いております。新年は、これまでの決断と実行が実を結び、勢いをもって前に進める年となりますことを願い、本町の発展と町民の皆様の幸せのために力を尽くしてまいります。新年も変わらぬご支援、ご助言を賜りますようお願い申し上げますとともに、私もマチづくりの基本であります「対話・協働・調和」を銘記し、子どもからお年寄りまで笑顔あふれる優しいマチの実現に向け、不断の研鑽を重ねる所存です。
結びに、新年が皆様にとって健やかで実り多い年となりますよう心よりご祈念申し上げます。そして、本町の未来が明るく豊かなものとなりますよう、町民の皆様のお力添えを心よりお願い申し上げます。
