- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道訓子府町
- 広報紙名 : 広報くんねっぷ 令和7年12月号
本町では、令和8年3月までに「まちづくり会社」の設立をめざしています。
11月号からまちづくり会社設立に向けてシリーズで紹介しています。今月号では、まちづくり会社の方向性や事業内容などをお伝えします。
◆方向性・役割
◇町内ヒアリングなどで見えた町の可能性
令和7年5月から開始した町内ヒアリングでは、農業者、議員、商工業者など幅広い方々から貴重な声を伺ってきました。時間をいただいた皆さん、ありがとうございました。その結果、町には多くの「伸びしろ」があることが分かりました。タマネギなどの産業面はもちろんですが、多くの方が同様に口にされたことが「町の住みやすさ」でした。中心市街地のきれいな町並みや商業地が集積しコンパクトに動ける点、空港や北見市へのアクセスの良さといった利便性、観光要素がないために静かな暮らしができることなどがその要因でした。さらに、町への思いや自身の活動への愛着などを持たれている方が多く、精力的な活動をされている人もたくさんいます。
こうした町の住みやすさと夢中になれる町は誇るべき要素です。
◇まちづくり会社の方向性
まちづくり会社は、町の魅力や価値を向上させ、伸びしろを伸ばすことを目的としています。
会社の形としては、行政と目線を合わせつつも、行政より柔軟な活動を行う一方で、自社の利益だけを優先する企業形態とも違い、公共的視点も併せ持ち、町民や町が盛り上がることを行っていくことで利益を生むように進めていきます。そんなまちづくり会社の方向性ともいえる会社の経営理念は以下のとおりです。
・ミッション(何のためにやるか):Make Your Crazy ~日常に夢中がある暮らし~
・ビジョン(目標):日本一、継ぎたくなる町
・大切にすること:これまでの歴史や文化を大切に、つながりを育て、参加しやすく、未来を感じ取れること
・スローガン:くんねっぷ「だから」夢中、くんねっぷ「で」夢中、くんねっぷ「に」夢中
まちづくり会社を説明する中では、「夢中(英語でcrazy)」というキーワードを多く使っています。町民や町に関わる人それぞれが夢中になれるような応援をしていくことを考えています。
◇まちづくり会社の役割と町への波及効果
まちづくり会社は、地域活性化や産業振興の中心的な役割を担います。具体的な役割として、以下の4つが挙げられます。
1.町民の「夢中」への応援団 ~静かな夢中から大きな夢中まで~
「『夢中』とは大きな夢を追いかけてほしい」ということではなく、それぞれの中の少し興味があることをやってみることから始まると思っています。「新しい挑戦をしたい」から「ママ友と集まりたい」などさまざまな夢中の応援につながる場をつくることで応援していきます。
2.地域資源の発掘と活用
地域に眠る歴史的資源や自然資源、伝統文化など培われてきたものを夢中になれる取り組みへと活用し、町に夢中になる人を増やしていきます。昨年から開催している町営牧場を活用したマラソンイベントはその一例です。
3.新産業の創出と支援
地域の特性に合った新たな産業や企業の誘致を行い、地元の経済を活性化させます。未活用の資源の発掘やそれらの活用方法による特産品開発、事業者の販路拡大サポートなども行います。令和7年4月に締結した石井食品株式会社と町の包括連携協定は、これらの取り組みにもつながっていきます。
4.情報発信と関係人口の創出
都市部には、「訓子府町と関係を持ちたい」「協業したい」という潜在的な関心層が確実に存在しており、そうした関係人口の創出こそが、まちづくり会社の大切な資産となります。体験移住や子育て留学、観光客としての流入など多様な接点から町を知ってもらい、町に来てもらい、町と関わりを持ってもらうことを行います。
これらの役割を通じて、町への波及効果として、雇用創出、所得向上、関係人口増加、地域ブランド力向上、住民の誇りと愛着の醸成が期待されます。
◆事業計画
◇まちづくり会社の事業内容(計画)
まちづくり会社の方向性と役割を具体的に行うために、大きく2つの事業(BASE)と機能(HUB)を計画しています。その事業内容は以下のとおりです。
1.まちなか BASE(成長と交流のきっかけ拠点)
旧スナック店舗を継承し、同施設および周辺で下記の事業を展開します。
・まちづくりスナック営業
・飲食営業
・シェアキッチン(菓子製造業・惣菜製造業取得済み時間貸しスペース)
・ゲストハウス
・セレクトショップ(全国の特産品を販売する店舗兼お試し販売・営業拠点)
2.日の出 BASE(農業×観光)
日出地区で離農される農家の自宅や設備を継承し、町への訪問拠点の1つとして下記の事業を予定しています。
・ワイン用ブドウの生産およびワイン醸造
・観光農園
・飲食店
3.FUTURE HUB(町民の応援と未来を生み出す)
町民の未来を「支える基盤」として機能するFUTURE HUB。「モノ(場)」「ヒト(人材)」「コト(事業)」の3つの領域で、「継ぎたくなる町」の実現をめざします。訓子府で「楽しく暮らしたい」「働きたい」「事業を続けたい」という思いから、「新しいことを生み出したい」「こんな場所であんなことできないか」という思いから実現までをサポートし事業化する仕組みをつくっていきます。
4.FAN HUB(町のファンを増やす)
「訓子府にまた来たい」「訓子府のために何かしたい」「訓子府に住みたい」そんな思いの変化を、丁寧に育みながら、町のファンが自然に増え、深まり、町全体を応援する力になる取り組みを行うのが「FAN HUB」になります。行政分野と連携して多様な町のプロモーションを行うほか、2つのBASEを活用した交流活動を促進していきます。
※1月号のシリーズ(3)では、まちづくり会社の組織概要などをご紹介します。
問合せ:経済振興室振興係
【電話】33-5008(役場2階 窓口13番)
