- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道佐呂間町
- 広報紙名 : 広報サロマ 令和7年5月号
■「肺がんについて」
「肺がん」はがんの中でも年々患者数が増えており、佐呂間町においても男性の肺がん死亡率は高くなっています。主要死因の中で、がん部位別の死亡者総数を見ると、佐呂間町では男性の肺がんの死亡者数が最も多く、他の地域と比較しても肺がんの死亡率が高い状況です。そのため今月は肺がんの特徴や早期発見の必要性についてお伝えします。
■肺がんとは
肺がんは肺や気管、気管支、肺胞の一部の細胞に発生し大きく分けて4つに分類されます。(下記表1)
肺がんの中には喫煙との関連が大きいものがあり、肺門部にできやすいがんはヘビースモーカーの方に多く見られます。喫煙だけではなく、アスベストやPM2.5などの物質が原因となる場合もあります。
肺がんはできる部位により、症状の出方に差があります。
肺門(太い気管支)にできやすいがんは、気管が狭くなることでがんの粘膜浸潤にともなう血痰(痰に血が混じる)や咳が比較的早期から見られます。
肺野にできやすいがんは、肺の奥の細い気管支や肺胞に発症するため早期の段階では症状が出にくい特徴があります。
■肺がんの症状
症状としては、咳・痰・血痰・胸の痛み・動いた時の息苦しさ・動悸や発熱などがあげられます。
主な症状が風邪や気管支炎の症状と似ていることや、呼吸器の症状ではなく背中の重苦しさや肩こりを生じる場合もあり、症状だけではがんに気づきにくく見逃される可能性があります。
■表1
■進行(転移)した場合
肺は酸素を取り込み、二酸化炭素を排出するために、全身の血管が集まっている臓器であり、特にリンパ節・骨・脳・肝臓・副腎に転移しやすい特徴があります。
肺門にできたがんが肺野に進んだ場合、肺炎を起こし発熱や咳などのような症状が現れることもあります。さらに、がんが胸壁や肋骨に転移すると胸の痛みを感じることがあります。また、がんが声帯を動かす反回神経という神経に転移した場合、嗄させい声(かすれ声)がおこることもあります。
がんは進行するにつれてまわりの組織を破壊しながら増殖し、血液やリンパの流れに乗って転移していくため、発見が遅れた場合は肺以外の臓器にもがんが転移してしまい予後が悪くなる場合があります。
早期の段階では症状が出ない場合もあり、症状だけではがんに気づきにくく、症状が出た時にはがんが進行していることもあるため、症状のない段階で発見することが大切です。
■早期発見が大切です
症状だけでは肺がんかそれ以外の病気かの判断が難しいですが、定期的に検診を受けて早い時期で肺がんが見つかれば、治療にかかる期間が短くなり、転移や再発の危険性が低くなります。
症状がないと検診から足が遠のいてしまうこともありますが、町内で受けられる検診があります。肺がんを早期に発見するためにも、咳や痰など特に気になる症状がなくても、年に1回、定期的に検診を受診しましょう。
咳や発熱などの症状のみでは他の病気との判断が難しいため、風邪でもないのに2週間以上咳が続く場合や血痰がある場合、発熱が5日以上続く場合は検診を待たずに、医療機関を受診することをお勧めします。
■町では、総合健診時に肺がん検診を他の検診と同時に実施しています。
また、クリニックさろまで実施している肺・内臓CT検診の助成を行っています。
◇肺がん検診
実施内容:胸部エックス線検査
実施場所:総合健診会場
※日程により会場が変わります
対象(料金):40歳以上の町民(300円)
予約方法:電話、ネット予約等
◇肺・内臓CT検診
実施内容:CT検査
実施場所:クリニックさろま
対象(料金):満35歳〜64歳以下の町民(1,000円)
※2年に1回のみ助成
予約方法:クリニックさろまへ電話予約または窓口で予約【電話】6・7611
検診に関する問い合わせ:保健福祉課保健推進係
【電話】2・1212
問合せ:保健福祉課保健推進係
【電話】2・1212