その他 彫刻家 藤原千也さん 中原悌二郎賞を受賞

■受賞の言葉
中札内村に来て15年になりますが、ここで得たものはあまりにも大きく、本当に中札内村に来てよかったと感じています。
制作にあたり、木の扱いについては、村の中西幸一さんに一から教えていただきました。村内のアトリエで制作していると、いつの間にか私の後ろに腰掛けて、この大木の扱い方や木の種類、どんな場所に生えていた木なのかを、ぽつりぽつりと話してくださる――その一つひとつが大きな刺激となりました。今回の受賞をご本人に直接お伝えできないのは大変残念ですが、今もなお、中西さんの木との向き合い方を思い出しながら制作を続けています。
大きな転機となったのは、広菱鉄工の井馬也寸志さんに、作品の構造についてご相談したことでした。作り方や強度の持たせ方、設置方法などについて、本物の視点から一つひとつご指導とご助言を賜り、そのご協力のもとで、現在札幌芸術の森美術館に2027年まで設置されている受賞作「太陽のふね」の構造が形作られていきました。
体調を崩したとき、集中したいとき…隣近所の方々との何気ない会話や挨拶――そのどれもが大きな力となり、励みになっています。
この美しい村の多くの皆様のご理解とご協力によって、私の制作活動は支えられています。

■村長からヒトコト‼
おめでとうございます。これからもご活躍を、期待しています。

※道出身の彫刻家中原悌二郎の名を冠した賞で、国内で発表された日本人作家の優れた作品の中から選ばれます。藤原千也さんは、初の道内出身作家の受賞となります。