くらし 村のライフライン・安全で持続可能なサービスを目指して~上下水道、現状と将来のために(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道中札内村
- 広報紙名 : 広報なかさつない 令和7年10月号
近年、全国各地で水道管の老朽化による漏水や断水などの事故が頻発しています。連日報道され話題となった今年1月の埼玉県八潮市道路陥没によるトラック転落事故は、まさに老朽化した下水道管破損が原因とみられ、いよいよ人命にかかわる事態となりました。
これらの事故は、生活の根幹を揺るがすだけでなく、復旧に多額の費用と時間を要します。多くの水道管は高度経済成長期に敷設されたもので、国内の2割にあたる約17.6万Km の管がすでに法定耐用年数(約40年)を超えており、今後さらなる老朽化進行が予想されています。
加えて、利用者人口の減少や水道事業従事者人口も減少傾向にあり、ライフラインとしての上下水道の維持管理が全国的に大きな課題となっているのが現状です。
水は命の源です。安全で安定した水の供給を維持するために、村でも抜本的な対策が求められています。今回は、上下水道事業を担当する施設課職員に話を聞きました。
■村の上下水道事業の現状は?
村では、令和6年度に上下水道事業それぞれに経営戦略を策定し、公営企業会計への移行や、物価上昇、老朽化に向けた対策の必要性など様々な経営環境に対応すべく、村営の公営企業として運営しています。
これは、それまで村全体経費の中で不明瞭だった上下水道の経費や運営を、企業型会計方式を使い経営力を強化し、より安定した事業の継続ができるようにするための取組です。
水は、私たちの暮らしに必要不可欠なものであり、止めるわけにはいかないのです。
■管などの老朽化状態、また、利用者人口減による収益の悪化はどうですか?
水道(簡易水道)事業から見ていきましょう。
村の水道供給が始まったのは、昭和47年3月、1973年です。
今から50年以上前で、一部の管は村※1設定耐用年数の60年に迫っていますが、本州方面と比較すると新しい方と言えるかもしれません。だからと言って、老朽化も進み耐震化に対応していないものをそのままにしていないものをそのままにしておくことはできません。
村の水道管路の全長は145Km(キロメートル)、これは帯広北見間の距離とほぼ同程度の長さです。毎年、水道管本体や電気機械設備、周辺の修繕と耐震化取替工事を継続して行っています。
水道の利用者人口は約3000人ですが、気になる人口は、この先約10年、緩やかな減少傾向で推移すると想定されています。
下水道事業の供用開始は、平成9年3月、1997年です。下水管については耐震性能を有しており、当面、取り替える事はありません。
利用者人口は、約2600人。
水道利用者より少ない理由は、処理提供区域が市街地区に限られているためです。将来的には、市街地区人口減予測と歩調を合わせるように、確実に収入が減少していくと考えられます。
両事業の利用による収入予測では、下水道事業の抱える課題の方が大きいと言えます。
実は、下水道事業にはもう一つ「設備の更新」という課題があるのです。
※1:村では地盤が良いため1.5倍の耐用年数(60年)を設定しています。

※南札内浄水場系統図
※詳しくは本紙をご覧ください。
村の取水は札内川ダム系と、札内川伏流水系の2系統があります。
貯水
↓
取水口
ピョウタンの滝
↓
導水管…500m
↓
沈砂池
↓
導水管…10.6km
↓
浄水場
↓
送水管…1.6km
↓
配水場
↓
配水管…132.8km
↓
各家庭
