- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道大樹町
- 広報紙名 : 広報たいき 令和7年10月号 No.690
全国学力・学習状況調査は、児童生徒の学力や学習状況を把握・分析し、教育施策の成果と課題を検証、その改善を図るとともに、教育指導の充実や学習状況の改善などに役立てることを目的として、小学6年生と中学3年生を対象に、平成19年度から実施しています。
令和7年4月17日に実施した調査結果をもとに、大樹町教育研究所の協力で概要と改善のポイントをまとめましたので、小学校編と中学校編の2回に分けてお知らせします。今月号は小学校編です。
■学習調査の状況
令和7年度は国語、算数、理科の3教科の調査でした。今年度の平均正答率および正答数の層分布を比較したものが下のグラフです。平均正答率では、3教科とも全国を下回る結果となりましたが、理科では全国平均に近い結果となっています。また、正答数ごとの層分布では、3教科とも全国と比較して、第4四分位層が多く第1四分位層が少ない結果となりましたが、理科では第1四分位層が全国とほぼ同数となっています。
今後、本調査で明らかになった課題について、学校全体で授業改善に取り組み、児童の学力と学習意欲の向上を図っていきます。

■調査結果概要と改善方策例
○国語
・「知識・技能」は全国との差が小さく、基礎・基本は定着していると言える。「思考・判断・表現」に課題があり、特に「読むこと」で全国との差が大きい。単純なケアレスミスが多い。
・グループ活動や意見交流を通して、理由を添えて自分の考えを表現する力を高める。第4四分位層の確実な引き上げと半数以上を占める第2・3四分位層の引き上げを図る。
○算数
・「数と計算」は全国との差が小さく、基礎的な技能は定着している。「図形」「データ活用」で全国との差が大きく思考力・判断力・表現力を要する問題に課題がある。
・「図形」「データ活用」の領域で基礎理解から活用・応用につなげる指導を充実させる。データを活用した探求的課題や複数の解法を比較する学習を設定し、思考力・判断力・表現力を養う。
○理科
・「エネルギー」や「地球」の領域は全国を上回るか同水準であり基礎理解は良好である。「知識・技能」は全国を上回るが、記述式の正答率が低く表現力に課題がある。
・記述式での表現力を高めるとともに思考力・判断力・表現力を育成するため、観察結果や理由を図や言葉で整理して表す活動や友達同士で説明し合う活動を積み重ねる。
○学習状況調査から
・将来への希望をもっている児童の割合が多く、授業でのタブレット使用頻度が高く効果を肯定的に捉えている児童が多い。その一方、家庭学習に取り組む時間が短い。
・タブレットなどのICT機器の効果的な活用を更に進めていく。家庭との連携を大切にしつつ、学習の成果や時間の積み重ねが実感できる取り組みを進め、家庭学習の必要感を高める。
