くらし AMBASSADOR COLUMN 001 アンバサダーコラム

■全員参加のうらほろ力
《PROFILE》
〔きたむらたか〕食と地域のマーケッター、(株)グロッシー代表取締役。2005年浦幌にUターンし2007年(株)グロッシーを創業。「毎日のテーブルにストーリーを」をテーマに、全国の料理家350人や生産者と食が創り出す豊かな生活を提案。2013年内閣府女性のチャレンジ支援賞受賞。2015年日本味育協会を設立、理事に就任。2023年出身地・浦幌の町づくりを行う中間支援組織・一社)十勝うらほろ樂舎にマーケティング担当として参画。企業連携や一次産業の付加価値化、Jクレジット、女性活躍推進など、多様な分野を担う。

みなさんこんにちは!うらほろアンバサダーの北村貴と申します。1967年浦幌町生まれ、浦幌在住です。十勝と東京の2拠点居住を始めて18年、浦幌に軸足をぐぐっと移して3年目、十勝うらほろ樂舎の事業推進をサポートしています(みなさまお誘いお待ちしています!)
さて、この3年強く感じていることがあります。それは「浦幌でなら75歳までバリバリ働ける!」ということです。
地方創生が叫ばれて久しいですが、浦幌町には「町の課題を解決して未来に繋ごう」という想いをもち、行動している方がたくさんいます。それは、代々住み続けてきたみなさんであり、UandIターン者であり、転勤でたまたまいらした方であり、未来を担う子供たちです。ここに住むすべての人が「浦幌を良くしよう、経済と心の両面で生活を豊かにしよう、未来を希望あるものにしよう」と日々を生きています。
これは、何も特別なことを指しているわけではありません。例えば知らない人に町中で会えば、あら?誰かしら?と興味をもったり、スーパーのレジでみかけたら挨拶したり、イベントに参加して会話を交わしたり、車ですれ違ったら「あ!このあいだ話した人だ」と思ったり…。この何気ない日常の積み重ねが人と人の距離を縮め、いつの間にか外から来た人も「うらほろ人」になっていくのです。好奇心を持って人と向き合う日々の営みと気持ちこそが「うらほろ力」であると思っています。
さて、最初の問いに戻りますが「私がなぜ75歳まで働けると思ったか?」、一言でいえば「この町には他人に期待し、それをサポートする力」があるからです。
私が新卒で1988年に入社した大手メーカーの同期会が5月末にあり、60歳を迎える彼らが感じている「後半人生への不安」の大きさを知りました。好景気→バブル崩壊→IT革命→AI時代と激動期を生き抜いてきた我々。大企業で長年働きスキルは非常に高いのですが、会社を離れた瞬間、人間関係が乏しく、自分に自信が持てずにどうしてよいのか迷っているのです。「つぶしが効かない」「必要とされていない」「災害が不安」という彼らの声を聴き、「豊かさとはなにか?」を考えさせられました。
一方浦幌はどうでしょう?収入は大企業ほど多くはありませんが、すぐそばに生産者さんがいて、食材も自然環境も豊か。有事があっても何とか食べて行けそうです。また人手不足もありますが「複数の仕事(ボランティアを含む)」を行っている人がとても多い!いくつになっても、まだまだやることが満載!じゃないですか?
最後に本コラムのタイトルを「全員参加」としました。これは男女共同参画の基本精神です。私は最初の会社で、大きなジェンダーギャップに直面しました。現在の日本でもこのギャップは大きく残ります。しかし浦幌町は、もうそんなことを言ってる場合ではありません(笑)全員が町の経営者として町づくりに参画していかねば、地域を維持することはできません。課題解決の先進地・浦幌で「私に何ができるのか?」常に問い続けたいと思っています。