健康 保健師・管理栄養士がお届けする からだを知ろう

■太郎君と学ぶシリーズ No.70
▽脳ドック(4)

たろうくんは前回、MRI検査でみられる主な所見である“無症候性脳梗塞”と“脳の「シミ」様の加齢変化”について詳しく学びました。
今回は、上記の他に主にみられるMRI所見の“陳旧性脳梗塞”と“微小脳出血痕”について学びます。

◎本日は“陳旧性脳梗塞”と“微小脳出血痕”について説明しよう
▽ドクター
“陳旧性”という用語は初めて聞きますが、どのような状態のことをさすのでしょうか?
ちんきゅうせい…?

◎「陳旧性」という言葉は、病気が起こってから時間が経った状態をさす。
“陳旧性脳梗塞”は過去に脳梗塞が発生し、その後1ヶ月以上経過した状態をさす。この状態では、脳内に梗塞の痕跡が残り、CTやMRIなどの画像診断によって確認される。

▽過去に脳梗塞になったあとかぁ
古い傷跡みたいなものだから、そんなに気にすることはなさそうですね!

◎たろうくん…それは危険な考え方だ
脳梗塞は脳の一部に血流不足が起こり、その部分の血流はその後も元に戻らず止まったままだ
これがどういうことなのかイメージがつくかね?
▽う~ん…いまいちピンときません
◎それでは説明しよう!
陳旧性脳梗塞は、発症当初は症状がほとんどなかったり軽かったりするが、血流が戻らないまま後になってから言語障害や手足の麻痺、記憶障害などの症状が現れたり、再発することがあるため注意が必要なのだ
▽おぉ…そんなにこわい所見だったなんて…その所見が出たらどうしたらいいですか!?
◎陳旧性脳梗塞の再発を予防するためには、定期的に検査を受けることや血液の状態を良好に保つこと、つまり、生活習慣の見直しが重要だ

◎最後は“微小脳出血痕”だ
この所見は、脳内の細い血管が破れ、ごく少量の出血があった痕跡をさす。通常は無症状だが認知機能障害や脳卒中のリスクがある

◎矢印がさす黒くなっている部分が微小脳出血痕だ
脳出血の原因には様々なものがあるが、主な原因は高血圧だと言われている高血圧は主に生活習慣と関りが深いため、生活習慣の改善と降圧治療薬が発症・再発予防として重要となる

▽MRIの主な所見についてよくわかりました
MRAの主な所見についても詳しく知りたいです!
◎よかろう!続きは次回まで待ちたまえ

次回へつづく

問合せ:役場保健福祉課保健予防係
【電話】578-9004