健康 青森市医師会からのお知らせ Vol.16

■「本当は怖い!便秘の話」
寄稿:町田 光司さん(まちだ内科クリニック 院長)

便秘は若い世代では女性に多いのですが、高齢者ではむしろ男性の方が多く、便秘のかたは、統計上早く亡くなることが知られています。つまり、便秘は「死に至る病」でもあるわけです。実際、トイレでの急変の原因はいきみや腹圧による血圧の上昇や心血管系への負担によるものです。
排便の最中はもちろんのこと、排便後や排便前に倒れるケースも見られますので、要介護者の場合は十分な注意が必要です。
理想的な排便は、1日1回朝食後にバナナ型のスルリとした便が一分もかからずに出ることですが、何回かに分けるのも身体に負担を掛けない排便法です。
便秘の原因には糖尿病などの疾患が潜むことがあり、また、糖尿病の治療によって便秘に傾く場合もあります。また、大腸癌や腸捻転などの治療が必要なことがありますので、慢性の便秘には検査が必要となります。
便の性状を良好に保つためには食物繊維をきちんと摂りましょう。
なお、刺激性の下剤を連用すると効かなくなることがあり、漢方の便秘薬も同様の成分のものがありますのでご注意ください。

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