くらし 〔特集2〕青森冬のソウルフード

冬の時期にさらに恋しくなる青森市民のソウルフードといえば、「味噌カレー牛乳ラーメン」と「生姜味噌おでん」。
その始まりや特徴などを紹介します。また併せて、これらのメニューに使われている味噌などの発酵食品に関わる、市内の最近の動きもお伝えします。

■味噌(みそ)カレー牛乳ラーメン
◆Roots レシピのはじまり
▽中高生の遊びから誕生?
青森市内の札幌ラーメン店で1970年代、客の中高生たちがラーメンに様々な調味料などを入れて食べる遊びがはやり、味噌ラーメンにカレー粉と牛乳を入れるとおいしい─という話が広がり、客にそうしたラーメンを要望された店主が「味噌カレー牛乳ラーメン」を作りました。店主亡き後、家族や独立した弟子らがメニューを受け継ぎ、平成20年に「青森味噌カレー牛乳ラーメン普及会」を結成、全国に青森名物を発信しています。

▽納豆を混ぜる“裏技”も
各店では、色々なトッピングやスープに混ぜる食材を用意。中でも、納豆をスープに混ぜると味噌などとの相性も良く、リピーターが多いお店もあります。

▽市内5店舗で提供
現在は市内5店舗で味噌カレー牛乳ラーメンを食べられます。味噌、カレー粉、牛乳は各店で使っていますが、各店それぞれの秘伝のスープと合わせるとどう違うのか、食べ比べてみてみませんか?また、贈答用や家庭用の商品も開発しています。

・お土産にもどうぞ
普及会と県内食品加工会社が共同開発したお土産用の商品もあります。

問合せ:普及会会員店・札幌館
【電話】017-782-1765

■生姜味噌(しょうがみそ)おでん
◆Roots レシピのはじまり
▽「お客さんに温まってほしい」屋台のおかみさんの優しさ
戦後の青森駅前に立ち並んでいた屋台のあるおかみが、冬場、青函連絡船や列車を待つ人々に温まってもらおうと、すりおろした生姜入りの味噌をおでんにかけて出したのが始まりと言われています。

▽レシピ公開!家庭でも作ってみて
生姜味噌おでんは、コンニャク、薄くて大きなさつま揚げ「大角天(だいかくてん)」や、地場食材のツブ貝、ネマガリダケなどが主な具。
生姜味噌だれは、煮切った日本酒に津軽味噌(赤味噌)、みりん、だし汁を混ぜて煮立て、最後に生のおろし生姜を合わせます。同会HPのレシピを参考に、家庭でも作ってみませんか。

▽「おでんの会」活動で知名度アップ
家庭や飲食店などで受け継がれてきた味が、東北新幹線新青森駅開業(平成22年)を控えた同17年結成の「青森おでんの会」により全国に宣伝され、知名度が大幅アップしました。コロナ禍で常時提供する店は減りましたが、同会は店の掘り起こしや缶入り製品の販売にも励んでいます。

・味は2種類あります
おでんの会と市内の三浦醸造が共同開発した贈答用にもぴったりの缶詰の商品も販売中です。

問合せは青森おでんの会HPから
※二次元コードは本紙参照

■どちらも味噌(みそ)がキーワード
◇味噌文化の発信地といえば!かねさ
1875(明治8)年創業の老舗味噌メーカー「かねさ」。9月18日には青森市浪岡に新工場「かねさ顆粒みそ工場」がオープンしました。誰でも生産工程を見学できるコースや、150年の味噌造りの歴史や津軽の食文化を紹介する展示コーナーなどを備えた「顆粒みそ体験館」を併設した施設が特長です。
体験館にはカフェや商品が購入できるショップも。カフェでは生姜味噌おでんをはじめ、料理家の栗原心平さん監修のオリジナルメニューもあり、浪岡の新たな観光スポットとなりそう。

問合せ:かねさ顆粒みそ体験館
【電話】0120-997-124

■青森の食に関するフェスが行われました
◇10/5 なみおかフードフェス
栗原心平さんの料理教室や、青森中央短期大学生によるスイーツのお披露目・試食コンテスト、キッチンカーや地元飲食店の販売、ワークショップなどを行いました。

◇11/2 発酵フェス青森2025
麹や発酵食品、有機野菜やりんごなどの地域食材の販売、発酵や腸活に関するワークショップ、特別講師による講演を行いました。

問合せ:地域づくり振興課
【電話】0172-62-1127