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■江戸時代の気仙地方のお正月
江戸時代の気仙地方では、元日に栗・カヤの実・串柿・クルミ・粉取大豆・ふのり・切り餅・自家製の煎餅などを、新しい箕みのに料紙二枚を敷き、「米の木の箸」を添えて火棚(ひだな)※1にあげていました。これは自然採取の時代を思わせ、古代のしきたりを伝えていたものと考えられています。
また、現在は玄関に門松を立てることが通例となっていますが、松の木を用いるようになったのは幕末頃であるという記録もあります。
気仙町今泉では楢(なら)の木を用いることもあり、「久助(きゅうすけ)文書(もんじょ)」によると、天明年間(1781-1789)、今泉の検断(けんだん)※2久助は「栗の方が雪の重みに耐え得るので良い」といっています。(陸前高田市史第5巻民俗編(上)参照)
正月の飾りや供え物は、時代や地域によって違いはみられますが、良い一年を迎えたいと願う気持ちは今も昔も変わりありません。
※1火棚…囲炉裏の上に置く木製の棚
※2検断…旧仙台藩における地方役人の職名。宿駅(しゅくえき)の取締りなどを行った。

問い合わせ先:市教育委員会教育総務課文化財係
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