- 発行日 :
- 自治体名 : 宮城県利府町
- 広報紙名 : 広報りふ 令和7年9月号
「開運」
6月24日、ピアニスト、そして米国の大学教授でもある菊池真弓(きくちまゆみ)さんの演奏会がリフノスで開催されました。菊池さんとは30年来の「知人」でありますが、お会いしたのは初めてでした。菊池さんは私の大学の同級生のお姉さん。大学生の時に彼の実家である浜松に遊びに行った際、真弓さんの話題になりました。お母さまから「真弓はお父さんが早くに亡くなったから、好きだったピアノの道をあきらめていた。大学の時にホームステイで短期間米国に行って、その時、さよならパーティで久しぶりにピアノを弾いたら、パーティに参加していた人に『なんでそんなに素晴らしい腕前なのにピアノをあきらめたの。(続けるために)うちに来なさい』って言われて、それからずっとアメリカで大学に入って音楽家として生きている」と話をされました。なんて素敵なエピソードだろうと感激しまして、私も、特に若い世代の子たちと話す際に「運命ってどこでどう開けていくかわからないから、その準備はしっかりとしておこう」と語りかけています。
まだ見ぬ菊池真弓さんが、日本に演奏旅行に出かけるということで同級生が気を利かせ「利府の方で演奏、どうだい」と声をかけてくれ、さらにお嬢さんも一緒だと言います。しかも娘のマリアさんは音楽と平和を愛したレナード・バーンスタイン氏が北海道で組織した「パシフィックミュージックフェスティバル札幌(PMF)」のオーディションに合格して、北海道へ向かう道すがら利府で立ち寄れるというので、リフノスでの親子鷹演奏が実現しました。また演奏旅行に友達にも声をかけたから、と連れてきてくださったお友達もクリーブランド管弦楽団などで活躍されたバイオリニストさんだったりと、人のご縁というのはつながっていくものだなぁと改めて運命の妙味に触れました。(真弓さんには「ぜひ、毎年日本に帰国していただいて、利府で音楽合宿を開催してください」とお願いしています。)
今までリフノスで演奏してくださった音楽家の皆さんは世界規模で活躍されるアーティストです。バイオリン製作者の松下敏幸(まつしたとしゆき)氏、堀米(ほりごめ)ゆず子氏、オペラ歌手の福田祥子(ふくだしょうこ)氏、宮下大器(みやしたたいき)氏など名だたる演奏家、歌手がリフノスで公演し、町を気に入ってくださって、さらに利府とのかかわりが深くなろうとしています。町のどこかで常に音楽が奏でられている町、そんな姿を秋の入り口で考えていきたいと思います。
利府町長 熊谷 大(ゆたか)