くらし (巻頭特集)空き家が増えています(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 秋田県能代市
- 広報紙名 : 広報のしろ 令和7年5月号
近年、少子高齢化や人口減少、相続、老朽化など、さまざまな理由から、全国的に空き家が増えています。
また、空き家が近隣住民の生活に支障を来すトラブルも増加し、深刻な問題となっています。能代市も同様に、空き家件数が年々増加し、今後も増え続けると予想されています。
■空き家とは?
空き家であることが常態(おおむね1年以上使用されていない)である住宅などとされています。
空き家は適切に管理されていれば、何の問題もありません。しかし、適切な管理がされず、建物の劣化が進むことで防災・防犯上の危険や、生活環境への悪影響、近隣住民とのトラブルなど、さまざまな問題が発生する恐れがあります。
■能代市の現状
令和5年度住宅・土地統計調査によると、能代市の空き家率は20.0%となっており、過去最高の数値となりました。全国(13.8%)、秋田県(15.8%)と比較しても能代市の空き家率は非常に高いことが分かります。
また、令和6年に能代市で行った空家等実態調査では、2478戸の空き家を確認しました。そのうち、そのまま放置すると倒壊などの恐れがある「特定空家等」に該当する空き家が72戸、特定空家等に至らない損傷箇所がある空き家が1740戸と、経年劣化や台風、大雨などの自然災害などにより破損・腐朽した建物が増えています。
空き家件数の増加に伴い、空き家に関する苦情や相談件数も年々増えています。通学路や隣家などに影響を及ぼしているといったものや、建物の老朽化、建材の飛散についてなどが寄せられています。
管理不全な空き家の増加を防ぎ、住みやすい能代市にするためには、何が必要なのか、一緒に考えてみましょう。
■空き家を放置すると起こるリスク
空き家を放置することは、資産価値が低下し、売買などが困難になるだけでなく、次のような危険が生じる可能性があります。また、所有する空き家で事故が起きたとき、所有者が賠償責任を問われる場合があります。
・外装材・屋根材破損…落下・飛散事故の恐れ
・枝のはみ出し…見通しの悪化、通行の妨げの恐れ
・土台・柱の腐食や亀裂…倒壊・崩落の恐れ
・窓ガラスの破損・扉の損傷…不法侵入・不法滞在の恐れ
・雑草の繁茂・落ち葉の飛散…害虫や害獣が繁殖する恐れ、不衛生な状態に
・ごみの放置・散乱…不法投棄・放火の恐れ、悪臭の原因
放置すると:
空き家を放置し続け、倒壊などの危険性がある「特定空家等」と認定されると、市から適切な管理を行うよう命令を受けることがあります。この命令に従わないときは、50万円の過料や強制撤去などが行われる場合もあります。
また、税金の負担が増えてしまうこともあります。
■空き家管理チェックリスト
定期的に点検しましょう
(外観)
・建築物全体が傾いていませんか。屋根が全体的に変形していませんか。
・外装材などにはがれ、破損や汚損はありませんか。不法侵入につながるような窓の破損はありませんか。
(屋内など)
・柱、はりなどが破損、腐朽していませんか。雨漏りの跡がありませんか。
(敷地内)
・敷地内にごみが散乱して景観を損なっていませんか。腐敗して悪臭や不衛生な状態が生じていませんか。
・立木の幹が腐ったり、大枝が折れたりしていませんか。枝がはみ出して、通行障害などになっていませんか。
出典:国土交通省ウェブサイト(【HP】https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001720159.pdf)より抜粋