- 発行日 :
- 自治体名 : 秋田県東成瀬村
- 広報紙名 : 広報ひがしなるせ 令和7年5月号
■『歯周病と糖尿病の関係』について
ジュネスデンタルクリニック 小菅 一弘先生 監修
高齢者に多い糖尿病は、全身の血管にダメージを与える怖い病気であることを知っておいてください。糖尿病は、食事で摂った糖をエネルギーとして使うために欠かせないのがインスリン、これを元々自分で作れない方(1.型糖尿病)がいます。インスリンの分泌が少ない方、効き目が悪い方(2.型糖尿病)もいます。消化されなかった糖は血液中に入り、全身を巡ることによって、さまざまな症状を引き起こします。
・目に作用して失明につながる
・神経に作用して手足のしびれを起こす
・腎臓の細かい血管を壊し腎不全を起こす(重症化すると人工透析が必要になります。)
・足の血液循環を悪くして壊疽(えそ)を起こす(重症化すると切断が必要になります。)
・血管障害で脳、心臓に障害を起こす
・喉が渇く、水をよく飲む
このほかに糖尿病は、歯周病も悪化させます。歯周病は、歯の周りの歯肉や骨の病気です。血液中に侵入した歯周病の原因となる細菌が、全身を巡り様々な悪影響を及ぼします。そのひとつは、インスリンの効き目を悪くし糖尿病を悪化させます。
このように、歯周病と糖尿病は相互関係にあり、一方を治療するだけでは改善が見込めません。歯周病がすすむと、よく噛めなくなり、柔らかいものばかりを好むようになり、麺類、お菓子などの炭水化物(糖質)中心の生活になりがちです。その結果、糖尿病がさらに悪化します。
命に関わる病気である歯周病、そして糖尿病のどちらも、しっかり予防・管理するようにして健康に過ごしましょう!