健康 お口からめざす健康長寿コーナー

■オーラルフレイルとは?
ジュネスデンタルクリニック 小菅 一弘先生 監修
あまり聞き慣れない言葉だと思いますが、この機会に頭の片隅に入れておいてください。
日本歯科医師会では、以前から8020運動を推進してきました。80歳になっても20本以上自分の歯を残すような生活を送ることができれば、全身の病気にかかるリスクを減らすことができるからです。
そして今、さらに進化し、お口の機能低下を防いで要介護状態になることを回避するために、8020運動とともに『オーラルフレイル予防』が叫ばれています。
オーラルフレイルとは、口の機能が衰えることを指し、これは単に歯が減るだけでなく、噛む力や飲み込む力の低下に繋がり、全身の栄養状態を悪化させます。結果として外出が億劫になったり、人との交流が減ったりすることで、精神状態も悪くなり、最終的には要介護状態に陥る可能性があるとされています。これは、全身の機能低下である「フレイル」の初期段階と考えられています。
オーラルフレイルは早期の対策で改善が可能であり、これにより健康寿命を延ばし、要介護状態を遠ざけることができるとされています。

◆オーラルフレイルの主な兆候
食べこぼしが増える、固いものが食べにくい、むせやすい、滑舌が悪くなる、口が乾きやすい、歯の本数が減るなど

◆オーラルフレイルの予防策
徹底した口腔ケア(歯磨き、フロス、定期検診)、口の筋肉を鍛える体操(パタカラ体操など)、バランスの取れた食事、日常的な会話や発声の習慣化

フレイル予防と合わせ、オーラルフレイル予防も心がけてください。