- 発行日 :
- 自治体名 : 秋田県東成瀬村
- 広報紙名 : 広報ひがしなるせ 令和7年11月号
■骨粗鬆症と歯の健康について
ジュネスデンタルクリニック 小菅 一弘先生 監修
検診で骨密度を計測した結果、骨粗鬆症と診断された方も多いことと思います。骨粗鬆症と歯の健康との間に、意外と深い関係があることをご存じですか?特にご高齢の方や閉経後の女性にとっては、歯と骨の両方を同時にケアすることがとても重要です。
骨がもろくなって、転倒、骨折、寝たきりにならないためにも注意しましょう。
以下はその関係性と注意点です。
歯を支える顎の骨(歯槽骨)も、骨粗鬆症によって骨密度が低下することにより歯がぐらついたり、抜けやすくなったりします。
骨粗鬆症によって炎症への抵抗力が低下し、歯周病が進行しやすくなります。逆に、慢性的な歯周病が骨の代謝に悪影響を与え、骨粗鬆症を悪化させる可能性もあります。
むし歯が進行して、根っこだけになっている歯も要注意です。細菌の感染で、顎の骨(歯槽骨)が徐々に削り取られる場合があります。
骨粗鬆症治療の際に服薬する治療薬の中には、骨の代謝を抑える作用があるものもあるので、服用していると、抜歯後の傷の治癒が遅れる場合があります。歯科治療前には必ず服薬状況を伝えるようにしてください。休薬をしなくても、処置後の感染を極力防ぐことで対応することも少なくないので、薬を勝手に止めるのではなく、医師と歯科医師が連携して治療するので必ず相談してください。最も大切なことは、骨粗鬆症のお薬を飲み始める前にお口の健康を整えておくことです。
歯や健康を守るための対策としては、定期的な歯科健診と歯のクリーニングで重症化させない、カルシウム、ビタミンDの摂取で骨を強くすること、特にビタミンDは日光によって活性化されるので、適度な運動、日光浴で骨密度を保ってください。
