- 発行日 :
- 自治体名 : 山形県中山町
- 広報紙名 : 広報なかやま 令和7年11月15日号
達磨寺田植踊りの構成について見ていきます。この踊りは、踊り手として、全員が農家の後継者、長男で構成されてきました。前列にテデ衆と呼ばれる踊り手が4人、その中央に中太鼓が1人加わります。後列には、女装のソトメ(早乙女)が4人います。囃子方は笛3人、太鼓1人、鉦(かね)1人、唄い手2人の都合16人によって座が組まれます。
着衣は、テデ衆は紫地に上り竜・下り竜の模様の法被(陣羽織)に紫の股引、足袋に草履履き、手甲、白鉢巻、右手に三尺ほどのテデ棒を持ち、それを地面に強く突き立てながら踊ります。
中太鼓は、テデ衆と同じ服装で、左手に団扇太鼓、右手に撥(ばち)を持って調子をとりながら踊ります。この服装の、法被に描かれた上り竜と下り竜の模様は、団扇太鼓の連打と共に田植えに必要な雨を呼ぶものとされています。
ソトメは、右半分は白、左半分は紫の中振袖の上衣に赤い腰巻、紫の手甲、脚絆、白足袋に草履を履き、曲目により綾竹、扇子、ビンザサラを持ち替えて踊ります。これは田植え作業の模擬動作を演じるものとなっています。
囃子方の笛・太鼓と、鉦方は法被の襟に達磨寺田植踊保存会の白抜きの銘をもっていますが、天保期のものは残されていません。下は紺の股引に草履履き、頭には白鉢巻を結び、唄い手は紋付袴の姿です。
▽語句の説明
ビンザサラ:民俗芸能で使われている楽器のこと。踊りながら手に持ったビンザサラを巧みに操作してさまざまなリズムを作るもの。
※引用
中山町史中巻第10章第4節民俗芸能と娯楽
