健康 町立金山診療所だより ほっとクリニックvol.200

山形県立新庄病院 内科 金内 拓海(かなうち たくみ)先生

■「人生会議」について
1年前から金曜日の午前中に診療所でお世話になっている金内です。今回は人生について少し考えてみましょう。
誰もが病気や事故で突然意識を失ったり、認知症が進んだりして自分の思いを伝えられなくなることがあるかもしれません。もしもの時、あなたの代わりに誰がどんな決断をするでしょうか。延命治療を続けた結果、チューブや医療機器に囲まれ望まない状態で過ごしたり、最期まで家で過ごしたいのに一生病院で暮らすことになったりするかもしれません。判断を周囲に委ねることは、本人だけでなく家族にも大きな負担になります。「本人はどうしたかったのだろう」と悩み、苦しい選択を迫られることもあります。後になって「もっと話しておけば」と後悔することもあります。こうした不安を減らし、自分らしい人生の最終章を迎えるために注目されているのがアドバンス・ケア・プランニング(ACP人生会議)です。特定の治療法を決めるものではなく、何を大切にし、どんな価値観をもって生きてきたか、そして将来どんな医療やケアを望むのかを家族や大切な人、かかりつけ医などに元気なうちに話し合い共有しておく取り組みです。高齢の方だけでなく、若い世代でも突然の病気や事故は起こりえます。
人生会議はすべての世代に大切な話し合いです。人生会議は本人、家族、医療チームに安心をもたらします。(1)自分の思いが伝わっているという安心感。(2)本人の意思がわかることで迷いなく決断でき後悔を減らせる。(3)本人の希望を尊重した支援を提供できる。
「人生会議」と聞くと大げさに感じるかもしれませんが、始まりは小さな日常会話からで構いません。お茶を飲みながら「楽しみなことは?」「生きがいは?」「もし病気になったらどこで過ごしたい?」と話してみましょう。一度決めたら終わりではなく、考えや状況が変わるたびに見直すことが大切です。皆さんが「自分らしく」人生を歩み続けられるよう、私たちもサポートいたします。あなたの大切な思いを伝えることは、ご家族、そして未来のあなた自身への最高の贈り物になるはずです。