- 発行日 :
- 自治体名 : 山形県金山町
- 広報紙名 : 広報かねやま No.748 2025年4月号
林 寛治(かんじ)
■雑感(1)金山まちづくり活性化をめざして
わが母の郷里、金山町が町制百周年を迎えたことを50%の金山人として、また金山町街並み景観審議会専門委員の立場から、ここに改めて、お慶びお祝い申し上げます。
先に佐藤町長から、荘内銀行金山支店が撤退し、建物を金山町が購入されたことを知らされました。その時点で使用目的は未定と伺っていましたが、私なりに感じたことを記してみます。
金山町の格調を高める意味では、子どもたちの城として、今日までいささか居候的にあちこち移動した「金山町教育委員会」が1階に来ることで、教育・文化活動・スポーツ振興など、役場至近であり、金山小学校と金山中学校の中間に位置することで、町の教育に対する姿勢が緻密であることを示すことになります。2階については、サロンぽすと図書コーナーの荷重過多でご婦人連のクラブ活動が出来ない状態にもなっていることから、教委の2階ならば、読書教育も含めた力として伝わります。通学用バスが納まるスペースもあるので、自ずから完結した施設として活用できると思います。東京に例えれば、銀座4丁目の交差点と同格である場所に教育文化の城があるとなれば、雑音があっても時代を背負う子どもたちを育てる教委は金山の話題性を増すでしょう。
高規格道路開通が迫ってきました。欧米の自動車旅行を通じての経験からいうと、都市・農村部共に、来訪者の車はその町の中央ではなく周辺に誘導するのが原則です。今や町・都市中心部が車で埋め尽くされる時代はなくなったのです。場所を取り、街並み景観を壊すからと言われますが、何よりも町や通りを歩かないと、町を訪れる人々が、何も見ない、買わない、食べない、飲まないからなのです。高規格道路の出口に店・道の駅があれば、町に入らないでUターンされますから、町の盛り場を横目に見た広がりの先、又は奥に駐車場や地産の店、トイレ等をおいて、街中を充分に歩かせ、帰りに駐車場脇で地産の生鮮食品などを買うのです。高規格道路の入れ方、出方の演出が町の興亡を左右することを忘れてはいけません。
金山町民が誇りとする、13号線上台峠からの導入する、仕掛け、信号、案内板などを熟考工夫して金山町内外を楽しむルートを見せてくださることを期待します。
アメリカの野球場は古くは車ではなく電車・地下鉄でファンが集まりましたから人がどっと出る程度の広がりでファンの駐車場は用意されていません。東京の新国立競技場も駐車場はありません。新しい欧米のサッカー場は殆ど郊外で巾100m位の帯状駐車場がスタンドをぐるりと取り巻いてます。
金山町の場合、以上の諸条件に最もふさわしいのは、旧金山木材跡地材積場だと思います。八幡公園を横切って、大堰・七日町方面、直接十日町へ、土手沿いからきごころ橋・羽場、飛森、めばえ、田屋方面、また面前の有屋小・有屋ダム。シェーネスハイムまでもドライブでわずかです。
旧金山木材跡地材積場は金山町の地産生鮮農産物、生花と地産産品売り場を設け、町民と町内散歩を終えて帰途に付く乗用車や大型バスで訪町した人々が、余裕をもって買い物ができる場所として最適です。
既に存在しているかと思いますが、スタート地点として町内トレッキング、町内マラソン等町外の市町村に向けても春夏はまちなかから、冬期はシェーネスから町後援の町制百年記念催事として発信することは、金山町ならではと共感が得られるのではないでしょうか。
新庄市の県立病院が金山町側に新築され緊急時にもより一層便利になったことを確認して、金山診療所の役割も、より身近な「ホーム・ドクター」診療を担っているかと思いますが、東京都心部では10年以上前から、分担医療が常識となっており、自治体からの定期健診、健康チェックなどとコロナ予防接種など、すべてホームドクタ・リスト(診療科別)によっています。
従って余地ができた金山診療所は、緊急災害時避難施設と特別介護施設を合わせた、金山町独自の機能を国の縦割り行政を凌駕し活用目的を分割創出するトップランナーになることをも期待します。老人たちと、子供と若者たちの声が響く金山町の姿を期待します。