健康 町立金山診療所だより ほっとクリニックvol.193

前 町立金山診療所
所長 髙橋 鴻志

■スキマ時間で運動を!
皆さんこんにちは。仕事の合間や家でくつろいでいるとき、ついお菓子に手が伸びてしまうことはありませんか?「ちょっとだけなら…」と思って食べ始めたのに、気づけば袋が空っぽになっていた、なんて経験がある方も多いのではないでしょうか。特に、何気なくスキマ時間にお菓子をつまむ習慣がついてしまうと、気づかないうちにカロリーオーバーになり、体重増加や生活習慣病のリスクを高めてしまいます。でも、「何かしたいな」と思うその気持ち、実は運動のチャンスでもあるんです。お菓子をつまむ代わりに、ほんの少しだけ体を動かしてみませんか?
そこでおすすめなのが、椅子からの立ち上がり動作を使ったスクワットです。これは特別な道具も必要なく、どこでも手軽にできる運動です。やり方はとてもシンプルで、まず椅子に浅く座ります。背もたれには寄りかからず、足をしっかり床につけた状態で姿勢を正します。次に、ゆっくりと立ち上がります。膝にしっかり力を入れ、グッと押し上げるように立ちます。完全に立ち上がったら、今度はゆっくりと座ります。このとき、ドスンと勢いよく座らないように注意しましょう。この動作を5回から10回ほど繰り返します。ポイントは、できるだけゆっくり行うこと。急いで立ち上がるのではなく、じっくり時間をかけることで、筋肉にしっかり負荷をかけることができます。この運動は太ももの筋肉を鍛えるだけでなく、バランス感覚や姿勢の維持にも効果があります。特に高齢の方にとっては、転倒予防にもつながる大切な動きです。「ちょっと口が寂しいな」「何かつまみたいな」と思ったら、まずはこのスクワットを試してみるのはいかがでしょうか。運動をすることで血流がよくなり、気分もスッキリするので、「なんとなくお菓子を食べたい」という気持ちが落ち着くこともあります。最初は1日数回でも十分です。大切なのは、お菓子を食べる代わりに「立ち上がってみる」という意識を持つこと。こうした小さな習慣の積み重ねが、健康維持につながります。気づけば、スキマ時間が運動時間に変わり、自然と体を動かすことが日常の一部になっているかもしれません。つい食べてしまうお菓子は、実は「なんとなく」の習慣になっていることが多いものです。でも、その時間をちょっとした運動に置き換えることで、健康的な習慣に変えることができます。椅子からの立ち上がりスクワットなら、手軽にできて効果も抜群。まずは今日から、お菓子を食べる前に「立ち上がってみる」ことから始めてみませんか?

髙橋先生は3月31日をもって退職され、4月からは山形大学医学部附属病院に勤務されています。令和4年5月からおよそ3年間、所長として勤務いただきました。後任として、日本海八幡クリニック等診療所から今井洋汰医師が所長として着任されました。詳細については今後広報等でお知らせします。