くらし 遊休公共施設の利活用

◆町の公共施設について
飯豊町では、幼児施設や学校、公民館施設などの多くの公共施設の建設・整備を行ってきました。しかし、現在は施設の約半数が完成後30年以上が経過し、老朽化が進んでいます。
こうした公共施設は、大規模改修や建て替えを行わなければ、老朽化の進行により使用できなくなる可能性があります。一方で、厳しい財政状況を鑑みると全ての施設を維持・更新することは困難な状況にあります。そこで、町では飯豊町公共施設等総合管理計画・飯豊町個別施設計画を策定し、今後の施設の方向性を定めています。地域における必要な機能を維持しつつ、可能な限り次世代に負担を残さない効率的かつ効果的な公共施設などの適切な配置が求められています。

◆公共施設の現状と課題
町の公共施設等総合管理計画で対象としている建築物の延床面積は、全国平均の約4倍あります。一般的には、築30年以上を経過した建築物が大規模改修の目安とされていますが、全体の約半数の建物がこの基準に該当し、老朽化が進行している状況です。
建築用途別では、学校関連施設が4分の1と最多で、道路や橋梁などのインフラ施設も、ほとんどが建設から30年が経過しています。

◆将来負担コストの課題
国の試算ツールを用いて、公共施設やインフラ施設を全て保有し続けた場合の必要コストを試算したところ、40年間で621・3億円、年平均にして15億円余りとなり、膨大な額の負担が生じる結果となりました。

◆適正管理に関する基本的な考え方
町では、公共施設などの適正管理に関する基本的な考え方を次のとおりまとめています。

(1)公共施設などの管理に係る中長期的な視点
・人口減少や人口構造の変化を見据えながら、縮減していく
・単独施設は抑制し、施設の複合化・集約化、廃止・統廃合を基本とする
・施設点検など実施し、長期活用が見込まれない場合は、廃止を基本とする

(2)必要な公共サービスの再構築
・民間施設の活用など、公共施設にこだわらない公共サービスの提供を図る

(3)協働の推進
・PPP(民間事業者と連携して事業を進める手法)・PFI(民間資金や技術力などを活用して行う手法)など、さまざまな資金やノウハウを持つ民間事業者と協働し、施設整備や維持管理などを行う

(4)地域による公共施設のあり方
・行政区域にこだわらず、相互に関連する公共施設などの立地環境も考慮した適切な配置を行う
・近隣市町との相互利用や共同運用などにより効率化を図る

(5)耐震化の推進と安全性の確保
・災害時は、防災拠点として使用し、耐震補強が必要な施設は耐震化を進める

◆遊休公共施設のあり方に関する検討委員会
町では、遊休公共施設のあり方や利活用を含めて、公共施設等総合管理計画や個別施設計画の進捗について確認する「遊休公共施設の在り方に関する検討委員会」を設置し、庁内横断的に検討を進めています。

◆旧中津川小中学校利活用事例
平成24年3月に閉校した中津川小中学校は、地域の学び舎として多くの方々の思い出とともに大事にされてきました。閉校後は、中津川むらづくり協議会に「旧中津川小中学校利活用特別委員会」が設置され、さまざまな事業やプロジェクトに活用されています。

◇水没林マルシェ
観光資源の一つである水没林の時期に、ハンドメイドクラフトやキッチンカーが集まるイベントを開催

◇図工室プロジェクト
すげがさやわら細工など地域の伝統工芸に触れるワークショップ

◇雪回廊の迷路体験
豪雪地帯という地域特性を逆手にとった、雪で作った迷路を体験できるイベント

◇地区レクリエーション
誰でも参加できる軽スポーツを取り入れた、地区レクリエーションを開催

◇ハロウィーンイベント
ゾンビメイク体験と謎解きイベントを文化祭にあわせて開催

◆遊休公共施設の利活用検討事業
町では、遊休公共施設の利活用について、引き続き検討を進めています。特に学校施設は、地域に大事にされてきた歴史や地域の思いが深い施設であることから、地域と行政の双方にとって好ましい利活用のあり方を検討していく必要があると考えています。

◇100DDIVEプロジェクト
利活用方法の一つとして、本年度「100DIVEプロジェクト」を実施しています。このプロジェクトは、学校施設を含めた遊休公共施設の利活用をテーマに、全国の意志ある参加者がチームを組成して、テーマに沿った課題を解決するためのローカルビジネスを創出するプロジェクトとなります。地域課題を解決するために、地域の資源を活用し、学校施設を拠点としたローカルビジネスを創出する提案をいただく予定です。
提案される事業プロジェクトは、必ず採用されるわけではありませんが、全国からの意欲ある参加者と地域関係者が、150年分の地域の思いを大切にし、協議とグループワークを重ね、チームで一つの提案を作り上げるという内容です。
作り上げた提案は、9月に発表予定で、町民の皆さんを含む多くの方に、プレゼンテーションを見に来ていただきたいと考えています。日時や参加方法は、広報などでお知らせする予定です。皆さんからの関心を高め、施設の利活用を考える機会とし、多くの方のご理解と共感をいただける利活用を検討していきたいと考えています。

問合せ先:
役場企画課まちづくり室【電話】87-1182
役場総務課防災管財室【電話】87-0695