- 発行日 :
- 自治体名 : 山形県飯豊町
- 広報紙名 : 広報いいで 2025年9月号
■3.6分野60項目での町民の幸福感
分野ごとに設問に対する幸福感を、最高値10として平均値で表にまとめています。設問内容の詳細は町ホームページ(本紙QRコード)をご覧ください。
◇アンケートの設問項目
「健康・福祉」で9項目、「子育て・教育」で10項目、「仕事・家計」で9項目、「暮らし・安全安心」で11項目、「地域・生涯学習」で11項目、「景観・自然・文化」で10項目の合計6分野60項目で幸福感(「0:まったく思わない」~「10:おおいに思う」までの11段階)を質問しました。また、各分野での最後の項目は、その分野の総合的な評価項目として質問を設定しました。
(1)「健康・福祉」分野の幸福感
◇健康・福祉の総合評価の幸福感(図4)
健康的な暮らしに関してはおおむね幸福傾向で、総合評価の「9.心身ともに健康的な生活を送っていると思う」は6.1と幸福感が高いです。ただし、健康・福祉6の「高齢者や障がい者が安心して暮らせる」は十分な幸福感がなく、健康・福祉8の「身近に頼れる医療機関が充実している」でも医療機関の不足による不満があることがわかりました。
(2)「子育て・教育」分野の幸福感
◇子育て・教育の総合評価の幸福感(図5)
子育て・教育の総合評価の「10.自然豊かな農村地域の暮らしは子どもの成長に良い影響を与える」は6.5と、総合的に幸福感がある傾向ですが、高いといえる状況でありません。子育て・教育環境としての家庭環境は幸福感が比較的高いのに対して、町での子育て・教育環境に関しての不満が高い傾向にあります。
将来、子どもがUターンを含めて町で生活することへの期待感は低いと読み取れます。
(3)「仕事・家計」分野の幸福感
◇仕事・家計の総合評価の幸福感(図6)
仕事・家計の総合評価の「9.希望の実現に向けた仕事に就き、経済的に不安のない暮らしを送り続けられる」は3.5と低く、家計経済の持続性への不満(不安)が高いと推察されます。仕事・家計、経済に関しての幸福感は、他分野より低い傾向にあります。そのほかの低い項目は、仕事・家計4の「飯豊町に暮らしていて、やりたい仕事を見つけやすい」は2.9、仕事・家計5の「飯豊町の企業(工場、事業所、飲食店、商店など)は元気で活力がある」は3.4で、仕事・職場環境の整備が求められており、働き方環境、仕事のスキルアップ環境における不満があります。
(4)「暮らし・安全安心」分野の幸福感
◇暮らし・安全安心の総合評価の幸福感(図7)
暮らし・安全安心の総合評価の「11.安心して暮らすことができる」は5.5で幸福感はそれほど高くありません。買い物環境や交通利便性などの生活環境に関する幸福感は極めて低い状態です。車を運転できない町民にとっての交通サービス環境の不足、2022年および2024年の豪雨災害の影響もあると思われますが、自然災害を心配する意識が高い傾向にあります。
(5)「地域・生涯学習」分野の幸福感
◇地域・生涯学習の総合評価の幸福感(図8)
地域・生涯学習の総合評価の「11.地域(地区・集落)の中での暮らしに温かさがある」は5.7で5.0を超えていますが、幸福感はそれほど高くありません。一方で、「自宅に心地よい場所がある」は7.3と非常に高いです。コミュニティーの存在は心の安らぎにはそれほどなっていない反面、家庭が居心地のよい環境になっているとも評価できます。地域コミュニティーより家庭での安らぎがあるとすると、都市的ライフスタイルの浸透が進んでいると思われます。しかし、地域コミュニティーの親和性に関しての幸福感はまだあります。女性や若者が活躍しにくいこと、多様な意見への寛容性が弱いことなど古い農村社会性が残存している状況が推察できます。多様な世代、ジェンダーフリー、多様な価値観をもつ人々による地域コミュニティ育成が大きな課題となっています。
(6)「景観・自然・文化」分野の幸福感
◇景観・自然・文化の総合評価の幸福感(図9)
景観・自然・文化の総合評価の「10.飯豊町の継承・維持されている景観や文化に誇りや愛着を感じる」は5.9で、幸福感はやや高いといえます。景観・自然・文化の「1.空気や水が澄みきれい」も7.4と高く、自然との親和性や歴史文化の保全の意向は高いです。しかし、歴史文化的資源があっても十分な評価や活用がされず、幸福感につながっていない傾向があります。景観・自然・文化の「9.新たな文化や芸術の取組みに理解があるか」は4.8と低いです。新たな文化芸術活動への理解を地域で深める、地域コミュニティでの文化に対する柔軟性が求められます。
■4.6分野60項目での幸福感の評価
6分野ごとで幸福感の平均を比較すると、幸福感の高い分野は、高いほうから、「健康・福祉」、「景観・自然・文化」、「子育て・教育」、「地域・生涯学習」、「暮らし・安全安心」、「仕事・家計」の順となります。各項目で6以上の回答者比率が高い項目は、「地域の空気や水は澄んできれい」、「自宅には、心地のいい居場所がある」、「家族は、子育てに理解や協力がある」、「将来生まれてくる世代のために良い環境や歴史・文化を残したい」です。
これらの結果より、「自然環境が豊かな田園地域で、健康で自宅に心地よい居場所があり、家族との協力した子育てができている」ことに町民の約7割は幸福と感じています。幸福率が50%未満と低い項目は、やりたい仕事、交通買い物の便利さ、企業活動の活発さ、経済的な持続性でした。
問合せ先:企画課総合政策室
【電話】87-0521