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■第81回「地域おこし協力隊」
5月1日、原中慎太郎(はらなかしんたろう)さんを地域おこし協力隊に任命。原中さんは、後継者不足と温暖化で将来が危ぶまれる立子山特産の凍み豆腐の持続可能な製法確立に挑むなど、同地区の活性化に取り組みます。
凍み豆腐の技術開発には、福島大学が協力し共同研究を行います。凍み豆腐の固さや穴の大きさがおいしさに関係するとみて研究を進めるとか。科学の目を取り入れた挑戦の成果がとても楽しみであり、ちょっと心配でもあり…。
地域おこし協力隊は、大都市圏から地方圏に移住して地域活性化に取り組み、併せてその地域への定住・定着を促す仕組み。福島市では、現在、土湯温泉町、大波、飯野、吾妻、松川、西、飯坂、立子山の各地区で、8名の隊員が活動(6月に飯坂で1名増える予定)。地域に入り、新しいアイディアで観光や特産品開発、まちづくり、情報発信などに熱心に取り組んでいます。多様な面から地域に融合して、アイドル化している隊員もいます。
高齢化と人口減少が進む中、地域づくりの担い手が少なくなり、地域活力の再生は大きな課題です。
定説では「よそ者、若者、ばか者」は地域おこしの3要素。新鮮な視点とアイディア、そしてガムシャラに突き進む熱意と行動力が必要なのです。
地域おこし協力隊は、「よそ者」であり、多くは40代以下、実年齢が高くても若々しいエネルギーにあふれた「若者」であり、移住してまで地域おこしに熱い「大ばか者」。三要素揃った地域おこし協力隊だからこそ、これまでの閉塞(へいそく)感を破る可能性があります。それをどう生かせるか?がカギになります。
あつれきも生じるでしょうが、相互に理解し合えるようにし、かつ隊員の熱意と行動力が地域の人々に響き、若い世代を中心とした活動のうねりにしていくことが重要です。また、若い世代の女性流出が進む中で、女性隊員が活動する地域では、女性目線の地域社会の変革を図る絶好のチャンスにもなるでしょう。
これまでに卒業した隊員は4名。いずれも福島市に定着し、カフェ経営や酒造りなどで地域に貢献しています。隊員には、定住して、活性化の活動を共に成長させていただきたいものです。
現職と元職の隊員。出会ったら、ぜひ激励のエールをおくってください。

福島市長 木幡 浩(こはたひろし)