その他 市長コラム 第77回

「 やさしい日本語」

皆さんは、普段、難しい日本語を使っていませんか。
先日、伊達市国際交流協会主催の講演会で「やさしい日本語」についてお話を聞きましたのでご紹介します。
2023年12月末現在、福島県内には、人口の約1割にあたる約1万8000人の外国人が暮らしています。出身の国・地域も100を超え、話す言葉も、中国語、英語、韓国語、ベトナム語などさまざまです。
福島県では、県内に住む外国人に対し、「理解できる言語」についてのアンケートを行っています。「英語」との回答が多いと思いきや、約74%の人が「日本語」と答えています。簡単な日本語なら分かる外国の人たちが増えているということです。ですから、“外国語で話さなければ”と身構えず、まずは日本語で「こんにちは」と話しかけてみてください。楽しい会話が始まると思います。
さて、そこで大切なのが「やさしい日本語」を使うということです。そのポイントは、(1)簡単な単語で、一つの文を短くすることです。「地震が発生したので、火元確認をして避難してください」。これを「地震です。火を消してください。逃げてください」と言いましょう。(2)二重否定やあいまいな表現は避けることです。「ないことはない。できないことはない。間違いではない」。これを「あります。できます。正しいです」と言いましょう。どうしても日本人は、含みを持たせた話し方をしがちです。これでは外国人に伝わりづらく誤解を招きます。
私たちは、無意識に日本語を難しくしているのかもしれません。外国人に伝わらないばかりでなく、日本人同士の意思疎通でさえ困難にしていることもあります。
実際には、ストレートに話すことが難しい場面もありますが、できるだけ簡潔に、わかりやすい話し方をすることで、円滑なコミュニケーションにつながると思います。

須田 博行