- 発行日 :
- 自治体名 : 福島県大玉村
- 広報紙名 : 広報おおたま 2026年1月号
花・野菜・植物たち(11)
箱﨑美義著
■(10)のつづき
カリウムや鉄分も多い。葉トウガラシは、近ごろは、余り見かけないが、つく煮などトウガラシと違った味わいがあり見直したい一品である。毎年、大玉村のどこの農家でも香辛食品として畑作、栽培されきている。そのいくつかの品種を以下にとりあげてみた。(1)たかのつめ:長さ4cmぐらいの長円形で熟したものの外皮は、紅色である。乾燥して香辛料に用いるが辛みは、最も強い。主産地は九州、四国である。(2)日光:果実は長さ20cmほどで細長く、へた(蔕)が大きい。辛みは強い。(3)八ッ房:長さ8cmぐらいの牛の角状で、熟すると果実外皮は、緋色となる。辛みは、強い。産地は、静岡などである。(4)チリ:鮮紅色から褐色をした長さ15cmほどの果実を乾燥し粉末にして使う。(5)タバスコ:小型の果実で若いときは、黄緑色で熟すと橙赤色となる。果実が厚く、極めて辛い。(6)カイエンペッパー:果実は、非常に辛く、赤色、紅色で粉末にして使う。
■クロマメ(黒豆)
クロマメは、ダイズ(大豆)で種子の皮の黒い品種の一つ。マメ科、一年生作物、穀物作物である。クロマメの原種は、今から4千年~5千年前に中国西部、シベリアの山野に生れ育った野生種が世界で初めて発見され、すでに栽培化されていた。また日本でも野生していたツルマメが700年代、奈良、平安時代から食糧とされてきた。一方ダイズがわが国に渡来したのは、紀元前の縄文時代または弥生時代に中国あたりから渡り入ってきた。正月のおせち料理に使われる食物には、ふだんなじみの薄いのがある。クロマメもその一つ。おせちのクロマメは、まめに働き、健康ですごせるようにとの意味を込めた縁起(食)物とされる、それでは、他の豆でもよさそうだが、わざわざクロマメを用いるのはなぜだろうか。ふつうダイズは黄色だが、クロマメは、表皮が黒い。といっても黒い色素が含まれているわけではない。それはクロマメの発育段階を見ればよく分かる。未熟なクロマメは赤紫色で成熟するにって色が濃く黒く変わっていく。主要な色素はアントシアンで、シアニジンとデルフィニジンの配糖体(ブドウ糖と有機化合物体)の二種である。黒ダイズの生産、栽培地は、いわゆる照葉樹林地帯(アジア大陸の暖温地域の森林帯)にあたる。黄ダイズが日本へ入国する以前に黒ダイズが日本にもたされていて儀礼(宗教、文化)食に伝わっているのかも知れない。以前から女性は歯を黒く染めた。その歯が黒く染まるようにクロマメを食べたという説もある。日本のクロマメの産地は、丹波の篠山地方が著名である。
