- 発行日 :
- 自治体名 : 福島県磐梯町
- 広報紙名 : 磐梯弘報 2025年12月号
■磐梯町医療センターでの研修を終えて
自治医科大学附属病院 研修医 2年目
小櫃 有紀彦(こびつ ゆきひこ)
10月からの2か月間、磐梯町医療センターで研修をさせていただきました。先生方やスタッフの皆様、そして地域の患者さんに温かく迎えていただき、学びの多い時間を過ごすことができました。
今回「何か一言あれば…」とのことで、恐縮ながら、医療に携わり始めて以来ずっと感じていた小さな“モヤモヤ”を一つ共有させてください。
それは、患者さんの院内着がとてもつまらないということ。どこの病院でも似たようなもので、色味も少なく、着ていて気分が上がるとは言い難いデザインです。入院中、日ごとに表情が曇っていく高齢の方を見ていると、「この服で毎日を過ごすのは確かに気が滅入るな…」と思うことがあります。
印象的な出来事がありました。入院中に認知機能の低下があり、ぼんやりしていた女性の患者さんが、退院の日に自分のワンピースへ着替えた瞬間、スッと背筋が伸び、声にも張りが戻ったのです。まるでスイッチが入ったようで、服には人の内面を動かす力があるのだと実感しました。
私自身も服を選ぶとき、「今日はあの映画のあの俳優っぽく」などと想像して楽しむことがあります。
私にとって服はただの布ではなく、“人生のスパイス”のようなものです。大学6年間アパレルで働いた経験もあり、服が人の気分や行動を変える“魔法”を何度も目にしてきました。
だからこそ、医療現場でも服の力を少しだけ活かせないものでしょうか。もちろん衛生面や管理面の制約はありますが、色味を増やす、季節で素材を変える、ワンポイントを入れるなど、そんな小さな工夫でも、患者さんの表情や意欲、さらには認知機能の維持にも良い影響があるのではないかと、徒然に考える今日この頃です。
最後に改めて、この2か月の関係者皆様の温かいご指導と地域の皆様の優しさに、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

問合せ:医療センター
【電話】0242-73-3402
