イベント 地域の伝統を守り継ぐ

■諏訪神社春の例大祭
5月3日、福田地区の諏訪神社で春の例大祭(例祭)が行われ、福田小学校4年生から6年生16名と尚英中学校1年生5名の男女21名が神楽師として参加し、「福田十二神楽」を奉納しました。
演舞は巫女舞、明神舞、幣束舞、四方固の舞、恵比寿舞、八幡舞、三本剣など、舞を踊る役目と太鼓の奏者を交代しながら披露されました。
荘厳な雰囲気をまといつつ、迫力ある演舞が披露されると、昨年よりさらに上達した神楽師たちに盛大な拍手が送られました。
神楽師たちは、例祭を目指し、学校の授業、放課後や休日に舞や太鼓の稽古を重ねて本番を迎えました。

■福田十二神楽とは
福田十二神楽は、江戸時代後期の1865年頃から160年余にわたり先人の神楽師により受け継がれている福田地区に伝わる伝統芸能です。
平成5年に福島県重要無形民俗文化財に指定され、12の演目で構成された神楽です。12種の舞には、「五穀豊穣」、「家内安全」、「無病息災」、「勧善懲悪」、「除災招福」といった5つの願いが込められています。

■継承復活の願い―
これまでの継承方式では、福田地区の小学2年生から6年生までの長男が7年間を1代として神楽師を務め、次の少年たちに受け継がれてきました。しかし、担い手不足や新型コロナウイルスの影響により、令和元年11月の神楽奉納を最後にしばらくの間、神楽奉納が中止となりました。
地元の伝統を守るため、歴代の神楽師で構成された新たな神楽保存会が発足され、学校教育と連携し、男女問わず参加が可能な継承方式へと形を変えて再スタートしました。福田小学校の総合的な学習の時間に神楽を取り入れ、令和4年5月の例祭において新たな体制で初の神楽奉納が実現しました。
現在、福田小学校では毎年小学3年生を対象に児童が神楽を学習しています。授業は、保存会のメンバーが講師を務め、諏訪神社の歴史を聞き、実際に太鼓などの道具を使い神楽を体験しています。年間を通して学習し、仕上げとして3学期に発表会を行っています。
このようにして、地域や学校が連携し、郷土の継承すべき伝統芸能が守り継がれています。