- 発行日 :
- 自治体名 : 茨城県水戸市
- 広報紙名 : 広報みと 令和7年12月1日号
■ショートステイ中 突然不安にかられる夜も丁寧に寄り添う
あずみ苑 水戸 介護職員
佐川絵理夏さん
◇利用者の性格に応じて一人一人と向き合う
「介護職として働いてみたいと思ったきっかけは、私の祖母にあります」。そう話すのは、昨年の2月から介護職員として働く佐川絵理夏さん。「祖母が介護施設に入所し、職員やほかの利用者の皆さんと穏やかに、楽しそうに過ごしていた様子を見て、私もこの仕事に携わりたいと強く思ったんです」。
現在、佐川さんはショートステイの利用者のために働いています。健康状態の確認やさまざまな介助はもちろんのこと、利用者が宿泊するため、夜間の対応にもあたります。「夜中、急に不安になったり、不穏になったりして声を出してしまうような方も確かにいます。そのようなときも、一人一人の性格などに応じて丁寧に向き合っています」と話します。
◇正解がない だからこそ面白い
そのように語る佐川さんは、今でも覚えている出来事があるといいます。ある日、認知症を抱える利用者が夜中に大声を出してしまうことがありました。研修で学んだとおりの対応をしましたが、一向に改善しません。どのように声をかけても落ち着いてもらえず、無力感を覚えたそうです。この日は、先輩からのアドバイスを受けながら対応しましたが、こうした出来事がきっかけで、佐川さんは、利用者一人一人の持病やその日の健康状態などをよく見ながら接することを心がけ、対応の幅が広がりました。「こうすればうまくいく、という正解はありません。しかし、そういったところにやりがいを感じます」と力強く話します。
佐川さんがこの仕事を始めてもうすぐ3年。さまざまな経験をとおして、日々スキルアップしている実感があると言います。「介護福祉士の試験を受けるための研修を修了したので、次は介護福祉士の資格を取りたいです。ゆくゆくは、利用者などからの相談を受ける、生活相談員という道もあるのかなと考えています」と佐川さん。より多くの介護を必要とする人たちのために働きたいという彼女の明るく前向きな姿勢は、利用者のみならず、施設で働く皆さんにも元気を分け与えています。
◇佐川さんのある日の1日
9:00 出勤、引継ぎ
9:00~12:00 入浴準備、入浴介助
12:00~13:00 昼食介助
13:00~14:00 休憩
14:00~15:00 集団レクリエーション、体操、工作レクなどの介助
15:00~16:00 おやつ介助、レクリエーション介助
16:00~18:00 記録、清掃、リネン交換、排せつ介助
18:00 退勤
■利用者の声
◇職員の皆さんに安心してお任せしています(80代女性)
月に2~3週間ほどショートステイを利用しています。ここでお世話になっているおかげで、家に戻ったときも家族といい関係が築けています。
職員の皆さんとは、普段から気軽にお話ができており、いろいろなことを安心してお任せしています。これからもよろしくお願いします。
■介護の仕事QandA
「介護の仕事に興味がわいたけど、どんな職種があるのだろう」「一回体験してみたいけど、できるかな…」こういったさまざまな疑問にお答えします。
Q 「介護の仕事」には、どんな職種がありますか。
A さまざまな職種があって、それぞれに役割があります。
・介護職員
主に介護施設の入所者に対して、入浴・排せつ・食事などの生活全般を援助します。
・訪問介護員(ホームヘルパー)
介護が必要な方の自宅を訪問して、身体介護などさまざまな日常生活上の援助をします。
・生活相談員
主に介護施設の入所者の相談や援助、関係機関との連絡調整を行います。
・看護職員
介護施設の入所者の健康管理や投薬管理、介護が必要な方の疾病の予防や健康の維持増進を目的とした、医療の立場からの援助をします。
Q 「介護職」の給与水準は、どうなっていますか。
A 常勤の介護職員の月額給与(賞与込み)について、令和5年は32.4万円でしたが、令和6年は33.8万円に上昇しています。
(出典:令和6年度介護従事者処遇状況等調査)
Q 「介護職」を目指すときに、支援制度などはありますか。
A 新たに就労を目指す人や、再就職を目指す人などに、さまざまな貸付制度があります。また、条件次第で、返還が免除される貸付制度もあります。
詳細は、県社会福祉協議会ホームページをご覧になるか、お問合せください。
・介護分野就職支援金貸付制度
対象:介護職員などに就業したことがなく、新たに介護分野で就労を目指す方
貸付額:20万円以内
・介護福祉士実務者研修受講資金貸付制度
対象:介護福祉士の資格取得を目指して実務者研修施設に在籍している方
貸付額:20万円以内
対象経費:実務者研修受講費、研修にかかる交通費、資格取得のための参考書購入費など
・離職介護人材再就職準備金貸付制度
対象:介護の実務経験が1年以上あり、再就職する方
貸付額:40万円以内
対象経費:教材・学習費、仕事で必要な被服・用品費など
問合せ:県社会福祉協議会
【電話】350-8366
Q まずは体験してみたいのですが、可能でしょうか。
A 可能です。
受入施設は、県福祉人材センターホームページをご覧になるか、お問合せください。
また、福祉に関する仕事を紹介しているほか、各種イベントも開催しています。
受付日時:月~金曜日 午前9時~午後5時
※祝日、年末年始を除く。
問合せ:県福祉人材センター
【電話】244-4544
