- 発行日 :
- 自治体名 : 茨城県守谷市
- 広報紙名 : 広報もりや 2025年6月号
■お金の話:「マルク」から「オイロ」へ
皆さんご存知のとおり、ドイツを含め、多くのEU加盟国の通貨は「ユーロ」です。ドイツでは導入前は「DeutscheMark(ドイツマルク)」という通貨を使っていました。EU統一に当たっての通貨の移行は1990年代に決定され、1999年にまず電子通貨として導入され、現金は2002年1月1日から始動しました。
当時、私はまだ子どもでしたが、今でもよく覚えています。2002年の最初の数週間は、ユーロもドイツマルクも両方を使うことができましたが、おつりは必ずユーロでした。ATMでもユーロが出て、ドイツマルクは銀行で交換できました。ドイツマルクの利用がだんだん少なくなり、数週間後にはほとんどなくなりました。今でもマルクを持っている人がいますが、現在も銀行で手数料なしで交換できます。
2025年の今、ユーロは当たり前になりましたが、デンマークやポーランドなど、ユーロを導入していないEU加盟国もあります。EU加盟27カ国のうち20カ国はユーロを使用していて、将来的に増える見込みです。最後に「ユーロ圏」に入った国はクロアチアで、2023年にユーロを導入しました。ちなみに、「ユーロ」のドイツ語のつづりは英語と一緒で「Euro」ですが、発音は「オイロ」です。記号は「€」で、1ユーロは100ユーロセントに相当し、ドイツ語では「オイロセント」と言います。
ユーロ導入前の課題は、紙幣のデザインでした。多くの国の紙幣には、その国の歴史的な人物の肖像画や風景などが印刷されていますが、一つの国だけでなく数カ国が使うお金にはそれはできませんでした。2013年に導入された現在の「ユーロ第二シリーズ」の紙幣のデザインは、「ヨーロッパのそれぞれの時代の建築様式」で、表面には窓、裏面には橋が描かれています。実はその建物は実在しないもので、ゴシック建築やバロック建築、それぞれの時代の特徴に基づいています。
ユーロの硬貨の裏側は、国によってデザインが違います。ドイツの場合は、ドイツの国章(ワシ)と首都ベルリンのシンボルである「ブランデンブルク門」と柏の葉っぱです。このように裏面のデザインは国によって異なりますが、ユーロを導入しているどの国でも使うことができます。他には、特別なデザインの記念貨幣もあります。例えば、今年はドイツ統一35周年になるので、「35周年記念貨幣」が発行される予定です。
クレジットカードや電子マネーが主流になりつつある昨今ですが、ドイツでは公衆トイレや一部のバスの切符や小さなお店など、現金しか使えないところもあります。他国に地続きで囲まれているので、自分が慣れている通貨を使える国があるのはとても便利です。