健康 妊娠中から始める赤ちゃんのむし歯予防

妊娠期の歯や口の健康状態は、赤ちゃんの出生後の発育やむし歯リスクにも影響します。
定期的な歯科健診の受診や適切な口腔ケアなど、今できることから始めましょう。

■妊娠中にみられやすい歯やお口の問題と対応
◇妊娠中は虫歯や歯周病のリスクが高まります
妊娠によって女性ホルモンが急激に増加すると、それに伴い歯周病の原因となる病原菌が増殖しやすくなるとされています。また、妊娠中は唾液の粘性が高まることで口腔の自浄性が低下し、結果として歯肉の炎症や出血が起こりやすくなります。さらに、歯周病が重症化すると、早産や破水、低体重児の出産につながるリスクが高まることが知られています。

◇妊娠中のお口のケア
歯みがきがつらいと感じる場合には、こまめにブクブクうがいをすることが効果的です。食後に限らず、一日の中で体調がよい時間にリラックスしてみがくようにしましょう。また、歯ブラシはヘッドが小さく薄いものを選ぶと、細かい部分まで磨きやすくなります。歯みがき粉は、香りや味が控えめで泡立ちが少ないものがお勧めです。さらにキシリトールを含むガムを活用すれば、歯を強化する助けになりますが、過剰に摂取するとおなかがゆるくなることがあるので注意が必要です。

◇妊娠中の歯科受診
妊娠届提出の際に交付している歯周病検診受診券を利用して、体調のよい時になるべく早めに受診しましょう。妊娠中に歯科治療が必要になった場合は、安定しやすい妊娠中期の受診がお勧めです。その際には、産婦人科医から注意を受けていることを、必ず歯科医師に伝えるようにしてください。また、出産後は育児に忙しく、治療に時間を割くことが難しくなります。なるべく妊娠中に治療しましょう。

■マイナス1歳からの虫歯予防
赤ちゃんの歯が生えてくるのは、生後6か月頃からです。歯が生えたら、歯磨きをしっかりすることや、お菓子をあまり与えないことなど、保護者の方々は日々努力されています。
むし歯になる主な原因は、様々な菌によるものですが、その中でも代表的な菌がミュータンス菌です。ミュータンス菌は口内で食べかすなどを栄養源とし、それを分解する過程で強い酸を生成します。この酸が歯を溶かし、むし歯の原因となるのです。生まれたばかりの赤ちゃんの口の中には、ミュータンス菌は存在していませんが、家族の唾液を介して後天的に赤ちゃんに感染します。さらに、家族が持っているミュータンス菌の数が多いほど、赤ちゃんの口内でもミュータンス菌が増え、むし歯のリスクが高くなると言われています。そのため、むし歯予防は「マイナス1歳」すなわち妊娠中から始めることが重要です。
妊娠中や産後に身近な家族がしっかり口内のケアを行い、その状態で赤ちゃんとスキンシップを取るように心掛けましょう。

◆桜川市妊婦歯科検診
妊婦と赤ちゃんの歯の健康を守るため、妊婦を対象に歯科検診を実施しています。詳細は、市ホームページでご確認ください。