- 発行日 :
- 自治体名 : 茨城県行方市
- 広報紙名 : 市報なめがた No.238(令和7年6月号)
■ふるさとの話
先日、YouTubeで偶然、とても懐かしい曲「おはようおやすみ日曜日」を聴いた。十代の一時期、熱心に聴いた「かぐや姫」の作品の一つで、穏やかに話しかけるようなメロディーに乗せて、眠れない恋人に、日が昇るまで、ふるさとの話を聞かせよう、といった意味の詞が歌われる。作中の彼は、どんなふるさとの話をしたんだろう、とあれこれ想像をしたことを思い出した。
その日の夜、はじめて打ち合わせをした方と軽くお酒を飲んだのだが、青森県出身だという相手のМ子さんに、「小林さんのふるさとの行方市ってどんなところ?」と聞かれて、ふるさと、というWordに反応してしまい、昼間に懐かしんだ歌が頭の中で流れ出し、私は極私的なイメージについて語りだしてしまった。
「あまり雪は降らない地域ですけど、降るときもあって、同じ市内でも、ある場所を境に降っているところと降ってないところに不思議にわかれたりね、するんですよ。
地形は平らなようで平ではなく、たとえば大風は、湖や田んぼや丘の畑や森をなめるようにゆったりと吹くんです。だから行方市って、言うんですよ。これはうそです。それとね…」
その帰りの電車内で酔いがさめてきた私はしっかり行方市の案内をしないでしまったことを猛省し、帰宅するなり、М子さんに行方市の案内となる観光案内誌「NamegataTabi(なめがたたび)」などの情報をメールしたのだった。
すると彼女から、こんな返事が。
《小林さんが両手でピースサインしながら「ニコ、ニコ」って連発していた意味がわかりましたよ、「二湖」のことですね》
すべては、ほんの少量で私を酔わせた、おいしい日本酒のせいである、ということにしておきたい。
■小林光恵さん
行方市出身。つくば市二の宮在住。
今年は行方市の市制施行20周年ですね。いろんなイベントがあることでしょう。行方市制の成人式みたいなことはあるのかしら。
市公式ホームページ内で「行方帰省メシ」連載中。