- 発行日 :
- 自治体名 : 栃木県足利市
- 広報紙名 : 広報あしかがみ 2025年3月号 No.1606
「気が沈む ゆううつだ」
「落ち着かない 不安な気持ちになる」
「寝付けない 夜中に目が覚める」
「何も食べたくない 食欲がない」
「胸がどきどきする 息苦しい」
「イライラする 怒りっぽい」
皆さんは『こころの病気』と聞くと、どのようなイメージを持ちますか?この病気は特定の方の問題とされていましたが、現在では生涯に5人に1人がかかるといわれています。それだけ身近で誰もがかかりうる病気です。
多様な価値観や生き方があり、家庭・学校・職場などのさまざまな環境で生活しているため、気分が落ち込んだり、ストレスを感じ、心の調子を崩してしまう事もあります。
この特集では、『こころの病気』をより多くの方に知っていただき、理解を深める事を目的としています。
※今回は、精神疾患を分かりやすく表現するために『こころの病気』と記載しています。精神疾患は、脳や何らかの障がいによって精神・身体の症状や行動の変化が現れる病気の総称です。
■こころの病気はひとごとではありません
これまで『4大疾病』とされていた悪性新生物(がん)・脳血管疾患(脳梗塞や脳出血など)・心疾患(虚血性心疾患など)・糖尿病に『こころの病気』が加わり『5大疾病』の一つと数えられるようになりました。そして、厚生労働省の患者調査において『こころの病気』は5大疾病の中で最多となり年々増えています。
・うつ病
・統合失調症
・パニック障害
・発達障害 など
▽令和2年各疾患別全国総患者数(単位:万人)
参考:厚生労働省『患者調査』
『こころの病気』には、うつ病、統合失調症、パニック障害、発達障害などの種類があり、同じ病名であっても人によって症状は異なります。また、治療方法も薬が効果的な場合やカウンセリングや心理療法が効果的な場合などさまざまです。
気になる症状が続いたり、生活に支障が出るなど、つらい状態が長引く場合は、自己判断せずに周囲の人や専門機関に相談することが大切です。
■こころの病気になってしまっても不安にならないで
『こころの病気』は、症状も心の調子も人によってさまざまです。同様に、生活スタイルも人それぞれで、周囲のサポートを受けて調子を整えながら働いている方、障害福祉サービスを利用している方もいます。
『こころの病気』を抱えながら、医療や福祉のサービスを利用し生活を送る方を紹介します。
▽Aさん
訪問看護:週1~2回
毎週、自宅に訪問看護の方が来てくれます。服薬の確認や体調について、生活上の困りごとの相談などいろいろなことを話しています。
▽Bさん
就労継続支援B型:週5日
居宅介護:週1回
自分の障がいや症状に合わせて、軽作業などの就労訓練を行っています。私の通う事業所ではスイーツを作って販売し、毎日楽しく作業を行えています。
自宅にヘルパーさんが来てくれて、身体介護や家事援助などを受けられます。食事作りをお手伝いしてもらっているおかげで、毎日バランスの良い食事が取れています。
※障害福祉サービスを市ホームページで紹介しています
■こころの健康を整えましょう
自分でできる予防方法(セルフケア)を紹介します。実践は無理をせず、短時間でも良いのでマイペースに継続的に行うことが大切です。
(1)生活習慣を見直しましょう
・十分な睡眠時間を確保する
・適度な運動をする
・バランスの良い食事を取る
・疲れを感じたら無理せず休む
・リラックスできる時間をつくる
(2)落ち着いた時間を過ごしましょう
・好きな音楽を聴くなど趣味を持つ
・深呼吸や日記を書くなどのストレス解消法を試す
(3)社会的にできること
・自分にとって心地よい距離間で人と関わる
・共通の趣味を持つコミュニティに参加する
《セルフケアのポイント》
▽自分自身のことを見つめ直してみましょう
ストレスがかかる瞬間やストレスで現れる身体や心のサインなどを知ることもセルフケアにとって大切です。ストレスが溜まりすぎる前に発散したり、専門機関に相談したりすることで、悩みの改善につながります。
▽相談相手を見つけましょう
友達や家族、同僚の中で信頼できる相手がいれば相談してみましょう。もしいなければ、安足健康福祉センターや精神保健福祉センター、医療機関や専門家などを頼ることもできます。普段の自分を知らないからこそ、言いやすいという方もいます。
問合せ:障がい福祉課
【電話】20-2134