くらし 「人生会議」と「在宅医療」から考える自分らしい人生
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- 発行日 :
- 自治体名 : 栃木県鹿沼市
- 広報紙名 : 広報かぬま 2025年8月号(NO.1299)
■住み慣れた地域で暮らし続けるために
皆さんは、自分の将来のことや、どのような最期を迎えたいかなどを、身近な人と話をしたことはありますか。縁起でもないと、避けている人もいると思います。
誰でも、いつでも、大きな病気やケガをする可能性があります。万が一、命の危険が迫ると、医療やケアについて自分で決めたり、望みを伝えたりすることができなくなると言われています。自分の人生は、自分で決めておきたいものです。
●人生会議 ACP
「最期は自宅で家族と過ごしたい」「延命治療は望まない」など、将来どのように生活し、どのような医療や介護を受けて最期を迎えたいか、あらかじめ家族や身近な人、かかりつけ医などの医療や介護関係者と話し合っておくことが大切です。この取り組みをアドバンスケアプランニング(ACP)「人生会議」といい、病状や気持ちの変化により、繰り返し行う場合もあります。
「人生会議」をどのようにしたら良いかわからない、そんなときには、高齢福祉課へご相談ください。
●在宅医療という選択肢
病気を持っている人でも、住み慣れた地域で療養したいと希望する人は多いと思います。通院が難しくなった人、入院せずに治療はできないかと考えている人もいることでしょう。そのような時に「在宅医療」があります。生活の場で、医師の診療や看護師のケアを受けることができます。在宅医療については、かかりつけ医や最寄りの地域包括支援センターにご相談ください。
●自分と向き合う エンディングノートを作る
市では、エンディングノートを無料でお配りしています。終活は最期の準備ではなく、残された人生をよりよく生きるためのものです。自分と向き合い、笑顔で毎日を送れるように、エンディングノートをぜひご活用ください。
●最期までこの家で。人生会議をきっかけに自分と向き合う
訪問診療について相談をしたSさん(70代女性)
夫を亡くして一人暮らしの私に、がんの再発の知らせ。言葉にならない思いでした。でも、この家で暮らし続けたい気持ちは揺らぎません。痛みと付き合いながら、なんとか通院と家事を続けていました。そんな私を見かねて、娘が「一度相談してみよう」と市役所へ。そこで、家で診てもらえること、支えてくれる人たちがいることを知りました。
訪問診療や看護が始まり、ケアマネジャーや医師、看護師、娘と共に人生会議を開き、「最期まで自宅で過ごしたい」と伝えました。皆がその思いを受け止めてくれ、安心感と共に心のもやが晴れたような思いです。今は、限りある時間を大切に生きていると実感しています。
問合せ:高齢福祉課地域包括支援センター
【電話】63-2175