- 発行日 :
- 自治体名 : 栃木県大田原市
- 広報紙名 : 広報おおたわら 令和7年12月号(No.1341)
■全体新論
今回は『全体新論』を紹介します。本資料は刊本で、乾・坤の2冊からなり、寸法は共に縦25.4cm、横17.2cmです。本資料は、英国人宣教師で医師のベンジャミン・ホブソン(1816~73)が中国に西洋医学を伝えることを目的として、1851年に広州で解剖学・生理学に関する要点を、陳修堂(ちんしゅうどう)という中国人助手の協力を得て漢文で著し、同年、上海(しゃんはい)で刊行となった医書の和刻本(日本で出版された書籍)です。日本では、安政4年(1857)に出版されています。
主に人体の構造が解剖学的に記され、一部の動物も含んだ人の骨格や神経・血管・臓器などのしくみ、妊娠中の胎児の様子などが、詳細な挿図と共に解説されています。『西医略論』・『婦嬰(ふえい)新説』・『内科新説』と共に、中国医学の発展に大きく貢献した書籍です。
本資料は2冊共、「黒羽藩文庫記」という印文の蔵書印が押されているので、幕末維新期、黒羽藩の文庫として、黒羽城内で保管されていたものと考えられます。
本資料は、当館企画展「明治のナイチンゲール大関和のふるさと黒羽と医療」において、12月14日(日)まで展示しますので、ぜひご覧ください。
問合せ:黒羽芭蕉の館
【電話】0287-54-4151
