健康 ≪特集≫歯と口の健康づくりはむし歯と歯周病の予防から(1)
- 1/20
- 次の記事
- 発行日 :
- 自治体名 : 栃木県那須烏山市
- 広報紙名 : 広報なすからすやま 2025年6月号
日本人の平均寿命が延び、「人生100年時代」ともいわれる今、健康に自立して生活できる期間である「健康寿命」の重要性が高まってきています。
健康で長生きするためには、バランスの良い食事を規則正しく食べることが大切です。食事をするために欠かせないのが、健康な歯。むし歯や歯周病を予防して歯を健康に保つことは、楽しく、健康に生きることにもつながります。
今回の特集では、歯周病にスポットをあて、予防方法や本市の歯と口の現状、ライフステージごとの口腔ケアのポイントなどを紹介します。生涯にわたり、皆さん一人ひとりが健康で生き生きとした生活が送れるよう、この機会に、歯や口のことについて考えてみませんか。
◆歯の大事な役割
歯は、私たちの健康と深く関わっています。歯が健康で、よくかんで食事ができれば、胃や腸に負担をかけずに、全身に栄養を行きわたらせることができます。また、会話がスムーズにできるのも、歯がそろっていて、はっきりと発音できるおかげです。このほか、歯ざわりや歯ごたえを楽しむ、体の姿勢やバランスを保つ、美しい表情をつくるなど歯の働きは様々で、私たちの毎日の暮らしに欠かせない役割を担っています。
歯は、たった一本失われても、正常な働きができません。例えば、奥歯が1本なくなっただけで、食べ物をかみくだく力は約40%も低下するといわれています。そのほか、かみ合わせが崩れたり、歯並びが悪くなったりするなど、様々な影響が出る恐れがあります。
◆歯を失う主な原因はむし歯と歯周病
年を取れば歯は抜けるものと思われがちですが、実は、むし歯と歯周病が歯を失う主な原因です。40歳を過ぎると、私たちの歯は、むし歯や歯周病などによって次第に失われていきます。
厚生労働省の調査(令和4年歯科疾患実態調査)によると、本来28本〜32本ある歯は、60歳で平均24・8本、70歳で平均21本まで減っていることが分かりました。
◆歯周病とは?
歯周病は、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患で、歯の周りの歯茎(歯肉)や、歯を支える骨などが溶けてしまう病気です。
歯周病と診断される状態は、大きく2段階に分かれており、歯垢の中の歯周病菌が歯茎だけに炎症を引き起こしている状態の「歯肉炎」と、歯肉炎がさらに進行して歯を支える骨(歯槽骨)にまで影響が及んだ状態の「歯周炎」の2つを総称して歯周病といいます。
歯周病は、年齢に関係なく、子どもから大人まで、誰もが発症する可能性があります。
○歯と口の健康づくりのための本市の取り組み
本市では、那須烏山市民の歯及び口腔の健康づくり推進条例に基づき、平成28年3月に「なすからすやま歯科保健行動計画」を策定し、市民の皆さんの歯と口の健康づくりを総合的に推進しています。
また、平成29年3月に策定した、平成29年度から令和8年度までの10か年計画「なすからすやま健康プラン第2期計画」では、分野別施策として歯の健康を挙げ、目標値達成のために取り組んでいます。
○本市の歯と口の現状
令和4年度に実施されたなすからすやま健康プラン第2期計画の中間評価によると、むし歯有病率の割合は、全世代で減少しているものの、歯周病を有する人の割合は、50歳代を除く、すべての年代で増加していることが分かりました(表1・表2)。
◆歯周病を予防するためには
毎日の歯みがきや定期的な歯石除去により、原因となる歯周病菌を減らすことが重要です。歯ブラシのみで落とせる汚れは6割程度といわれていますので、デンタルフロスや歯間ブラシを併用して、歯ブラシだけでは届きにくい部分を掃除しましょう。
正しい歯みがきの方法およびデンタルフロスや歯間ブラシの使い方は、日本歯科医師会のホームページでご確認ください。
◆歯周病は口の病気だけではない
口の中の細菌が血液を経由し、全身へと流れ、下図のような疾患を引き起こします。
・脳梗塞
・誤嚥性(ごえんせい)肺炎
・がん
・動脈硬化
・糖尿病の悪化
・骨粗しょう症
・心筋梗塞
・狭心症
・低体重児出産
・早産のリスク
○あなたは大丈夫?歯周病セルフチェッ
(参考:公益社団法人8020推進財団)
次の項目の当てはまるものに、チェックしてみましょう。
・歯茎に赤く腫れた部分がある
・口臭がなんとなく気になる
・歯茎がやせてきた
・歯と歯の間にものがつまりやすい
・歯をみがいたあと、歯ブラシに血が付いたり、すすいだ水に血が混じったりすることがある
・歯と歯の間の歯茎が赤くぶよぶよしている
・時々歯が浮いたような感じがする
・指で触ってみて、少しぐらつく歯がある
・歯茎から膿が出たことがある
≪判定≫
→チェックがない場合
これからもきちんと歯みがきを心がけ、少なくとも1年に1回は歯科健診を受けましょう。
→チェックが1~2個の場合
歯周病の可能性があります。まず、歯みがきの仕方を見直しましょう。念のため、かかりつけの歯科医院で、歯周病でないかどうか確認してもらいましょう。
→チェックが3~5個以上の場合
歯周病が進行している恐れがあります。早めに歯科医師に相談しましょう。
○歯科健診で口の健康チェック
『集団歯科健診』
期日:9月14日(日)、11月2日(日)
※両日とも健診時間は午前8時30分~正午
場所:保健福祉センター(田野倉85-1)
対象:20歳以上の市民
※事前予約制です。詳細は、市ホームページでご確認ください。
『個別歯科健診』
対象者には4月に案内を送付しています。詳細は、案内をご確認ください。
問合:健康福祉課健康増進グループ
【電話】0287-88-7115